マクドナルドが、一個人に敗訴?自分は「とらないもの」を売り続ける輩たち

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 先日、Facebookで「イギリスのシェフがマクドナルドに勝訴!裁判によって『肉』の正体が明らかに」というニュースを紹介しましたが、その後の続報も含め、調べてみましたので記載しておきます。

今回の記事は、単なるニュース記事のシェアではなく、企業におけるマーケティングや社内マネジメントにも大きく関わるニュースだと感じたため、そのような視点を盛り込みながら今回のエントリーを進めていきます。

もちろん、マクドナルド叩きの記事でもありませんし、ソース元の不備を指摘するものでもありません。目次にある通り「情報発信や情報共有によるマーケティングとマネジメントでのミスディレクションを避けるため」に記事を起こしています。

ソース元はこちらですが、後日【「マクドナルドの肉の正体が明らかに」の根拠は そもそもの裁判がなかった?】の記事が出た後、削除されています。

【ソース元1】『イギリスの有名シェフがマクドナルドに勝訴!裁判によって肉の正体が明らかに』

イギリスの有名シェフがマクドナルドに勝訴!裁判によって肉の正体が明らかに

URL:http://iitame.com/archives/2013

【ソース元2】『【衝撃】マクドナルドが従業員に「健康のためファストフードは食べないように」と助言していたとして物議』

【衝撃】マクドナルドが従業員に「健康のためファストフードは食べないように」と助言していたとして物議

URL:http://rocketnews24.com/2013/12/26/399778/

フェイスブックに投稿した記事はこちら

 

2つのソース元記事概要

 まず、簡単にこの2つのソース元を整理すると、1つ目のソース元でもある『イギリスの有名シェフがマクドナルドに勝訴!裁判によって肉の正体が明らかに』という記事では、このマクドナルドを訴えていたイギリス人シェフ、ジェイミー・オリヴァー氏は食育革命に取り組んでいる活動家で、長年にわたってマクドナルドで使われている『肉』に関して調査を続けてきた人のようです。

マクドナルドは、11年には、アンモニア消毒した牛肉の使用を中止すると発表し、12年には、このピンクスライムをマクドナルドは使用しないと発表していいました。しかし今回の裁判によって、その「ピンクスライム」が、未だに使われていたことが明らかになった!というわけです。

ピンクスライムとは、食用の肉を精製する際に出た「くず肉」や「腱」「脂肪」「結合組織」を混ぜたものから作るペースト状の生地にアンモニアを加えて作られたもので、「くず肉」は、イギリスではドッグフードや鶏の飼料にされるもので、人が食べる食品への使用は法律で禁じられているそうです。

しかし、これは、あくまでも海外の記事なので、国内の情報もチェックしておかなければ意味がありません。そこで調べてみると少し古い記事ですが、以下のような記事が見つかりました。

【ソース元3】『日本マクドナルドで「ピンクスライム肉」使ってるのか問い合わせてみたよ!「日本では安全です!」との回答』

日本マクドナルドで「ピンクスライム肉」使ってるのか問い合わせてみたよ!「日本では安全です!」との回答

URL:http://youpouch.com/2012/02/08/54193/

 私が2017年1月21日にFacebookに投稿した記事の中に「マクドナルドでは、社員にファーストフードを食べないように指導してるって話もありますからね。」という文面のソースもととして本エントリーで紹介している『【衝撃】マクドナルドが従業員に「健康のためファストフードは食べないように」と助言していたとして物議』の記事の中には、“マクドナルド従業員専用ウェブサイトで助言”とあり、あくまでも“「ファストフードは速く、安く、手軽で家庭料理の代わりになっている。ファストフードは、忙しいライフスタイルの人にとっては便利で経済的ではあるが、カロリー、脂肪、飽和脂肪酸、糖質及び塩分が高い食品の典型で、肥満のリスクになる」”とあるだけです。

 実際問題、社内で規制しているものを商品やサービスとして売り出すのは如何なものかとも思いますが、これは厳密に言えば、「ファストフードは、忙しいライフスタイルの人にとっては便利で経済的ではあるが」の部分だけをマーケット対象としビジネスを営んでいると解釈すれば、日常的にマクドナルドを食することは、マクドナルドビジネスの本質的顧客ターゲットではないと解釈することもできます。

この視点に関しては、後述するとして、ソース1とソース2を並べて1つの記事にすると、次のような錯誤が生まれてしまいます。





マクドナルドは、ドックフードや家畜の飼料としてのみ認められている「ピンクスライム」を「今後使用しないと発表」しておきながら、未だに使用していた。そのために「従業員には健康のためにファストフードは食べないよう」従業員限定のウェブサイトで指導している。

この1つ、1つのソース記事は事実ですが、2つの記事を合わせ読んでイメージされる、先の囲みにある解釈は、事実が湾曲されています。

さらに、この投稿内容はいかがでしょうか(私たちが自分でFacebookページに投稿した冒頭で紹介したものの加工キャプチャです)。

 あたかも、この事実を以前から知っており、健康被害を起こさないように、ファストフードを食べないよう指導していたと解釈する人が出てもおかしくはありません。そして、この投稿をする際には、『日本マクドナルドで「ピンクスライム肉」使ってるのか問い合わせてみたよ!「日本では安全です!」との回答』を明示していませんので、ある種「マクドナルド叩き」の投稿として解釈されます。

Facebookに投稿することから、このような情報をシェアし、共感する人を集めているとも言えます。今回行った投稿は「情報操作の基本」という見方もできるわけです。しかし、情報操作を意図的に行う意識はなくても、連続した情報提供によって、受け取る側が錯誤した解釈をしてしまうということは少なくありません。

これが、インターネット活用で頻繁に起こっている情報発信と集客のミスマッチです。

さらに、この情報提供との錯誤は社内マネジメントでも引き起こります。それでは、今回のニュースを元に、マーケティングのミスディレクションを起こさないためにはどうしたら良いのか。そしてマネジメント上での錯誤を生まない情報共有の方法について解説したいと思います。

このニュースから考えるマーケティング

 今回「ソース元」としてご紹介した記事は、どれも事実です。しかし、ソース元1でご紹介したニュースは、海外の判例ですが「日本語記事」ですので、場合によっては「国内にも当てはまる」と解釈する読者が生まれます。全ての読者がそのような解釈をするわけではありませんが、「一定数、の錯誤を犯す読者が生まれる」と注意する必要があります。その錯誤を修正するためにも本記事では、ソース元3として『日本マクドナルドで「ピンクスライム肉」使ってるのか問い合わせてみたよ!「日本では安全です!」との回答』を添えました。

もちろん、海外マクドナルドの対応が、使用しないと発表しながらも繰り返し使用していたことから、国内のマクドナルドにも同様の習慣があるのでは?と勘ぐる読者もいるでしょうし、「日本マクドナルドでも、チキンマックナゲットの約2割に、中国の食品会社が消費期限切れの食肉で作った製品を使用していたと発表」という過去もあるので、現状も疑わずにいられないというのはあることでしょう(ソース元4:http://www.mcdonalds.co.jp/news/140722.html)。

 人は元来、隅から隅まで一字一句読み飛ばさずにニュースや記事を読むということはありません。ネット社会になって、ホームページやブログ、SNSなどで情報発信を行う企業も何から何まで詳細を記載して情報発信を行うということは稀です。なぜなら、詳しく詳細を読者の錯誤させることなく伝えようとすれば、このサイトのブログ記事のようにかなりの長文になってしまうからです(汗)。

そして、それだけ長い長文を発信したからといって、読者は読まない。結果、読まない記事を長々と書いても時間と労力の無駄だと感じ、情報を端折って掲載してしまうのが世の常です。

しかし、この連続が、実際には錯誤の積み重ねを生み、直接対応(電話応対など)の時間と労力を増加させてしまっている場合があります。時にはこの錯誤の積み重ねはクレームと発展しかねません。クレームへと発展した状況には弁明の余地はなく、例え顧客側に錯誤の可能性のほうが多くても、錯誤させるような情報を発信していたのは企業であり、その責任は企業が負うことになります。

このことは、消費者庁入電などの事例を見れば明らかです。

そこで必要になってくるのは、記事やニュースの目的を初めに明確にすることです。読者に記事を読む方向性を記事本文を読む前に提示することで、この錯誤を抑制できます。

クレームが起こった際も、初めの一文をクレーム対応の際に確認させれば、問題を大きくする必要はありません。もちろん、虫眼鏡で見なければわからないような小さな文字で、そのことを記載していては意味がありません。

読者に記事を読む方向性を伝えるのですから、やや大きめの文字か太文字などにし、はっきり伝えるほうがマーケティングのミスディレクションを是正することにもつながります。

 また、今回の記事でも行っていますが、ソース元(情報の出所、一次情報)もはっきり掲載すべきことのひとつです。その理由は、掲載している情報の信ぴょう性を疑わせない要素にもなりますが、第一著作権の観点からも引用元ははっきり明示しなくてはなりません。更に言えば、情報の出所がはっきりしない「噂話」のような情報は引用するにはリスクが高いというわけです。

引用先のコンテンツの内容を確かめるという行動を起こす人も、記事にアクセスした内の数パーセントでしかないでしょうが、ソース元を誤ればあなたへの信頼性もそこなってしまいます。一次情報はウェブコンテンツになっていない場合もしくは、見当たらない(検索結果は二次情報で埋め尽くされることも多い)場合は、二次情報を掲載しているサイトの権威性や信頼度を図りながら、どのサイトを引用元にするかを検討してください。

一連の報道から考えるマネジメント

 社内マネジメントにおける情報共有によるミスディレクションというのは、外部発信する情報と内部共有だけにとどめる情報との間に生じるケースが多々あります。今回の【ソース元1】(マクドナルドが一個人に敗訴したという記事)と【ソース元2】(日本国内のマクドナルドはピンクスライムを使っていないという記事)の両方を見ても、マクドナルド自体の対応の悪さが伺い知れます。

私ならマクドナルドで働く社員やアルバイトをしている人たちをフォローするためにも、【ソース元4】(マックナゲットの使用期限切れ肉使用に関する公式発表)のような「公式発表」を迅速に行い、二次情報で拡散させるべきだと思います。なぜなら、マクドナルドに勤める社員やアルバイトの人たちが、それぞれの記事を読み、ソース元を確かめたり、関連記事を検索し真相を確かめる習慣を持った人たちばかりではないはずだからです。

 これはいうまでもない事かもしれませんが「根も葉もないウワサ話は自然消滅するから対応しない。対応すれば『弁明』と思われ炎上するだけ」と決め込み、あえて対応を行わない選択、もしくは先延ばしにする選択をしたのかもしれません。しかし。次のようにも考えられます。

【ソース元1】の記事が削除される原因となったと考えられる記事がこちら

【ソース元1.5】「マクドナルドの肉の正体が明らかに」の根拠は そもそもの裁判がなかった?

「マクドナルドの肉の正体が明らかに」の根拠は そもそもの裁判がなかった?

URL:https://www.buzzfeed.com/kantarosuzuki/mcdonalds-pinkslime-debunk?utm_term=.nhN1WvzpX#.bakzvo4Qe

 この記事によれば、【ソース元1】の記事にも、そしてそののソース元記事のソース元にも『裁判の申し立て内容や判決日、どこで裁判をしたのかなど詳細については、全く書かれていない。』と指摘しています。さらにこの【ソース元1.5】を配信したBuzzFeed Newsの記事によると「 BuzzFeed Newsが日本マクドナルドに取材すると、『米本社に確認しましたが、そういった裁判があったという事実はない』『日本では、この加工肉が使われたこともない』とメールで回答があった。 」と記載しているが、このBuzzFeed Newsが日本マクドナルドに対して行なったメールでのやり取りに関する証拠というものは、私が調査した段階では一切掲載されていません。

この「BuzzFeed News」の日本マクドナルドの問い合わせが事実なら、日本マクドナルドにメール取材した際に、その原文キャプチャをウェブサイトに掲載しても良いかと打診を取るべきだし、仮にその打診を行なったにもかかわらず、日本マクドナルドが掲載を拒んだのなら、それも掲載しなければならないでしょう。

もちろん、これらの記事情報を受けてもやはり「憶測が憶測を呼ぶ」にしか過ぎません。そうは言うものの、このような一連の「情報」に関する取り扱いはマクドナルドに限らず、あなたの会社でも同じことが起こっていると言えるのではないでしょうか。

 噂は悪い噂の方が良い噂より早く広まります。社内フォローが遅れればそれだけ社内での不信感が膨らみます。膨張した不信感を払拭するのは一筋縄では行きません。そして、今回の記事のように「記事タイトルで引き付け」直接的にイメージする内容から少しずらした情報発信を行うということは、ネットを使う以上、検索経由のトラフィックを獲得する以上、少なからず実施するテクニックのひとつとしてあげられることでしょう。

しかし、そのタイトルだけを見た社員は本文を読まず「また他者を批判している」と錯誤するスタッフも出てくることでしょう。そのために、日々の社内マネジメントでは、情報の信ぴょう性を確認するように指導し、自社で発信した情報に関しては、その本意を社内共有しておく必要があるわけです。

 「社内共有する真意」は、発信した情報からだけで読み取れる内容ではないことも多々あります。そのため「社員のみが知る情報」が、その「社内共有する情報の真意」に含まれます。こういった社内情報は、後に社外に広まっても問題のない情報もあり、中には、広まったほうが何かと都合の良いケースもあります。

その真意を公開し拡散する情報に掲載しなかった理由は、紙面の関係かもしれませんし、原稿を書く労力と時間の節約のためだったかもしれません。

しかし、そういった「社内だけで共有された、拡散が望まれる真の情報」は、社員の口からお客様へと伝わることで、情報の稀少性が生まれます。その稀少性をはらんだ情報を社員から直接耳にしたお客様は、その社員に対して特別な感情を抱くようになります。

更に、その希少性を帯びた情報を手にしたお客さんは、そういった情報こそ「誰かに話したくなる」ものです。今や1億総メディアと呼ばれる時代ですので、この時代特性を活用しない手はないのではないでしょうか。

 社外に発信する情報をまずは、社内で錯誤が生まれない仕組みを使って共有し、社外の力を借りて情報拡散に努める。今回のタイトルにあるように「自分はとらないものを売り続ける」ようなことがあっては、社員やアルバイトの人ですら、自分の勤務先に対して不信感しか覚えません。「自分たちがとらない」と言う表記は「自分たちは食べない」と解釈することもできますし、「自分たちは採用しない」とも「自分たちで取材しない」とも取ることができます。それぞれの漢字を当てはめながら読んでいただきたかったのであえてひらがな表記にしています。

 情報発信によるミスディレクションは、うまく使うことで、情報拡散や顧客との親密度を上げ、しいては社内における企業ロイヤリティ向上にもつながりますが、ひとつ間違えれば、【ソース元1】や【ソース元1.5】のようになってしまいますので、今回の事例を参考にしながら、うまく活用してみてください。

そして、今回、そのような情報発信の方法を含めた新刊の出版前原稿を期間限定で特別にプレゼントしています。詳しくは下記バナーからご確認いただき、必要なようでしたら、プレゼントを受け取ってください。プレゼント希望者の募集は本日が最終日ですので、今すぐ下記をご確認ください。