人材不足を感じている業種統計から見るネット集客の実態

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 人材不足を感じている企業が86%にも昇るとエンジャパンが発表しました。この統計データによると、「IT・情報処理・インターネット関連」が95%ともっとも多く、次いで「不動産・建設関連」が90%、「サービス関連」が88%で、「広告・出版・マスコミ関連」は86%という内容でした。

職種別に見ると、「営業職」が34%ともっとも多く、次いで「IT・Web・ゲーム・通信の技術系」で19%、「電気・電子の技術系」が18%で、「企画職(経営企画、広報、人事)」が16%と続き、「募集人数の多い営業職や専門的なスキルが必要な職種が不足している」とコメントを発表しています。

 

(参照:ITmedia ビジネスオンライン
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1701/05/news113.html

ここで、私が気になるのは、「IT・情報処理・インターネット関連」がひとくくりにされていることですが、このデータを見るだけでもWEB系サービスやインターネット広告業界の実態が見え隠れしていると感じませんか?

解説を入れる前に、引き続き、こちらのデータも紹介しておきます。

【人材不足の原因について】

 人材不足の原因については「退職による欠員」が54%で、「中途採用での人材確保ができなかった」と回答したのが47%。今後の対応についても調査されており、79%の企業が従業員に長期間就業してもらうために「正社員採用を行う」と答えたそうです。

人材不足の原因

(参照:上記同サイト)

上記2つの調査は、2016年9月28日~10月25日にネットを使って調査されており、採用担当者向けサイト「エン 人事のミカタ」に登録する企業226社が回答とのこと。

 業種別の区分方法にも個人的には「???」なのですが、職種の区分方法にも「なんだこれ?」と思わせるところが満載。こんなデータを鵜呑みにするレベルじゃWEB活用やネットを使った集客、販促で結果が出せるわけがないと言わざるを得ません。

では、その理由を解説していきましょう。

リサーチデータは1つだけ見ると墓穴を掘る

 先のエンジャパン調べの統計データに関してだけでもネット界隈の業界実態が見えてきますが、実はこのデータだけを見て判断すると、バイアスがかかっていることを見落としてしまいます。ちょうど、同サイト(ITmedia ビジネスオンライン)に、帝国データバンクの統計データが掲載されていましたので、そちらもご紹介します。

【企業の37.9%が正社員不足】

  • 放送関連(76.9%)
  • 家電・情報機器小売(65%)
  • 情報サービス(60%)
  • 飲食料品小売(58.6%)
  • 自動車・同部品小売(54.2%)
  • 建設(53.2%)

非正規社員に関しては、「飲食店」79.5%、「飲食料品小売」63.8%、「娯楽サービス」63%ともっとも高く、特に「飲食店」「飲食料品小売」「旅館・ホテル」「メンテナンス・警備・検査」は非正社員、正社員ともに5割を超えているといった内容でした。こちらの調査は、2016年7月15日~31日にネットを使って調査し、1万285社の回答

(参照:http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1608/26/news103.html

ついでに、「大学1~2年生が就職したいと思う企業は?」と言った調査を行ったリスクモンスターの統計データもご紹介すると、1位は「地方公務員」の9.0%で、次いで「国家公務員」が6.5%、「全日本空輸」で3.8%、「森永乳業」「日本航空」に関しては、いずれも3.4%、「タニタ」「任天堂」「東日本旅客鉄道」(3.1%)と続いて、「講談社」「西日本旅客鉄道」はいずれも2.7%でした。こちらの母集団はインターネットを使った調査で大学1〜2年生の男女477人。

(参照元:http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1608/30/news103.html

まぁ、最近の若者が「安定思考」に陥るのもこれらのリサーチ方法や、その結果を見れば「無理はない」とうなづけるのは私だけではないはずです。

エンジャパン調べと帝国データバンク調べから見えること

 まず、エンジャパンのリサーチには「採用担当者向けサイト「エン 人事のミカタ」に登録」している企業だけ(226社)が答えていることと、帝国データバンクの圧倒的な母集団(1万285社)の差を見れば、放送関連や家電、情報機器小売業はエンジャパンに登録していない企業が圧倒的に多いのではないかと仮説が立ちます。

また、逆に「IT・情報処理・インターネット関連」や帝国データバンク調べにはランキングに顔を出していない「広告・出版・マスコミ関連」の多くの企業がエンジャパンを通じた採用に頼っているのか?!という仮説もたちます。

もちろん、区分方法自体が異なるので「広告・出版・マスコミ関連」の中や「IT・情報処理・インターネット関連」に「放送関連」が含まれるかもしれないと言った憶測も踏まえておかなければなりませんが、2016年の悲しいニュースにもなった某大手広告代理店で新卒女性社員さんの過労死事件が起こってしまうような背景もうなづかざるを得ないと言えるのではないでしょうか。

 その理由は、特に広告企業が自社スキルの広告を使って人材を確保できていないというところに大きな矛盾があるからなのです。また、「IT・情報処理・インターネット関連」企業が何のために存在しているのかといえば、それはまさしくテクノロジーを活用した、業務効率化がメインであって、これらを導入する企業はいうまでもなく「人材不足を解消するため」にITや情報処理システム、インターネット関連のテクノロジーを導入するわけです。

それらを提供している企業が、自社サービスや社内スキルを無視して「人材不足」と嘆いているのですから、本末転倒としか言いようがありません。

ハッキリいえば、「結果が出ない」サービスやシステムばかり作って売ってるんじゃないの?ということです。

なぜ、これほどITが普及しても人材不足が起こるのか

 人材が不足しているということから考えられるひとつは、企業が適切な利益を獲得できていないために、社員に相応な給与を支払えていないからだと考えられます。また、これだけITが発達しているのに企業に人材不足が生じるということは「働き方」の変化や「収入に対する考え方」に変化が起こっているとも考えられます。

システムやテクノロジーを導入することでコストを抑えた生産やサービスの提供が可能になったことを受け、低価格での商品販売やサービスの提供が進み、薄利となる。「薄利多売」が可能なら利益の蓄積も可能ですが、テクノロジーのおかげで参入障壁も下がり過当競争が生まれる。その結果、再びITを必要とし、広告合戦が始まる。

まさに、デフレスパイラルですね!

先の人材不足に関する2つのリサーチデータと大学1〜2年生を対象としたリサーチデータからも分かる通り、若者は「組織(企業)が安定していれば、自分の生活も安定する」と短絡的な思考に陥っているため、広告やIT系の「情報を扱う業種」には、興味を示さない、もしくは、臆してしまっていると考えられます。

さらに、やはり見落としてはならないのが、先述した「広告企業が自社スキルの広告を使って人材を確保できていない」と「テクノロジーを駆使した業務効率改善を売る企業が効率化できておらず人材不足に陥っている。もしくは利益を上げられていない」この2つです。

そして、「なぜ、これほどITが普及しても人材不足が起こるのか」の答えは、ITに依存しすぎ、依存させすぎたために起こったとしか言いようがありません。

テクノロジーが進歩すれば、それまでと同じことは確かに低コストでできるようになるかもしれません。まさしくこれが前回のエントリーでもお伝えした「効率化を進めるだけでは、生産性は上がらない」ということを物語っています。

先日、私もMacのOSを新しくしたために、古いバージョンのソフトが使えなくなると言った現象に見舞われました。前回のOSバージョンアップの際にはエラーが起こるということはなかったですし、今回もバージョンアップの前に動作確認が行われているかどうかをインターネットで調べてOSのバージョンアップを行いました。

OSのバージョンアップを行なった当初は、動作確認が報告されている通り、古いバージョンのソフトも使えていたのですが、2017年の仕事始めの日になって、全く使えなくなってしまったのです。テクノロジーに依存していた結果、最新のテクノロジーにおいていかれたというわけです。

原因を探り修復するためには、システム系の高いスキルが必要ですが、私のところにそのような高いスキルを持つシステムエンジニアは所属していません。また、事業の関係上高度なシステムエンジニアを雇用するということも、これまで考えられませんでしたし、今後もおそらく雇用することはないでしょう。

これまでにネットで調べて試した修復方法は、すべて修復に至らず結果、思わぬ出費を余儀なくされるところでした。とても小さなことかもしれませんが、ITに依存しすぎるとこのようなことも起こってしまうわけです。

最終的には、少し発想を変えてみたところ代替え案を見つけることができましたので、今の所不必要な突然の出費に悩まされず対応しています。

ITの進歩で職がなくなるのが早いか、人材不足でIT進歩のスピードが減速するのが早いか

 ここで気になってくるのが、ここ数年まことしやかに囁かれている「ITの進化(AIの進化)で職がなくなる」ということと、先のデータから見ても分かる通り、IT系には人材が不足していますので、これらの開発スピードが減速するのではないか?進化スピードは一部の超エリートによって進んでも、普及スピードは減速するのではないか?その結果、どこかの時点でバランスが…と希望的、楽観的な思考を生みそうですが、確実に今、人材不足のトップを占めるような業種においては、人材不足が解消されなくても「職」はなくなることでしょう。

 先日、福岡のハンドボールチームが収入を得るために企業スポンサーを募るのではなく、農業を始めたというニュースが飛び込んできました。農業もまた人材不足が問題となっている業界ですが、ネットで求人してもおそらく集まらない業界と言えるでしょう。しかし、このアイデアは素晴らしいイノベーションだと感じました。

過去、医療関連がスポンサーとなったスポーツチームなどもありましたが、これも過去にない形態でのスポンサーシップでしたが、この関係とハンドボール選手が農業に従事する今回のニュースには大きく異なる点があります。

なぜなら、農作物は消費財です。ファンはチームを応援するために試合のチケットやグッズを買う他に、農作物を購入し続けることができます。選手は引退後も農業に携われることでしょうし、このシステムが人気になれば、地場流通の仕組みも出来上がってくることでしょう。

 先の統計データからも分かる通り、IT系はシステム依存に陥っているあまりに、そして、広告代理店は「代理業」に依存するあまりに、自らの問題を解決できないITや広告を生み出し続けてしまっているわけです。言うなれば「昨日の延長」で顧客に提案し、新たな(少し遅れている)顧客を獲得しているだけではないかとも考えられるわけです。

更に言えば、これらの企業はリスクを選択していないとも言えるでしょう。

今後必要なことは、イノベーター的な発想と自社の問題を解決する中から生まれる、顧客の課題を解決する相互補助的な発想ではないかと考えます。昨日の延長線上で資金を投じていたのでは、新たな人材に投資することもできませんので、人材不足になることは免れないことでしょう。

そろそろテクノロジーに依存するのではなく、再度あなたの中に眠る「素質」に目を向けて、整理を行なってイノベーター的な資質を発揮してみてはいかがでしょうか。そのひとつの方法として、あなたのビジネスがそこにあると位置付けてみてください。きっと人材もそして集客や販促の課題も解決することだと思いますよ。そのためのツールや方法が必要な場合は、ご相談ください。

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