SEOにこだわるあまり、集客が上手くいかなくなる例

451
SEOの落とし穴

SEOの呪縛、という言葉をご存知ですか?

あまりにも何かしらのキーワードで上位表示(1位獲得)を狙うあまりに、本質(集客や売上向上)を見落としてしまう、SEOマニアにはびこっていると言っていい「呪い」です。

まず、こちらのキーワードプランナーで解析した図を見てください。

キーワード マーケティング

これは、あるクライアントさんが目標としている、キーワードと関連語をAdWordsのキーワードプランナーでチェックした図です。

依頼内容は、目標キーワード(現在5位)で1位を奪取したい。でも現在2位のキーワードでも1位を奪取したいというものでした。

私は常々、特定のキーワードに固執した上位表示対策(これを「SEO」と勘違いするのも『SEOの落とし穴』であり『SEOの呪縛』と呼んでいます)に警鐘をならし続けています。

その理由は、ホームページSEOに関して記した拙著『小さなサイトの儲かる秘訣、大きなサイトが掘るぼける』をご覧頂きたいのですが、当初の目的として、現在5位のキーワードで1位を狙いたいと言う気持ちは、理解できます。

しかし、現在2位のキーワードの順位にこだわる理由は、単なる「思い込み」としか言えず、数字を正しく見れていない典型的な例です。

更に、このサイトは、既に月間14万アクセスを確保しているサイトです。

SEOにこだわると、アクセスを増やせなくなる

これから、数字を少し使って解説しますので、状況を整理しておきます。

既に月間14万アクセスあるサイトは、目標としているキーワードで5位。

上位3件は全国区のポータルサイト。

他サイトのアクセス数を正確に知る方法はありませんが、先日、全日本SEO協会代表の鈴木将司氏が解説していたSimilrawebを使うと、ある程度予測することは可能です。(鈴木氏の記事→ 競合他社のアクセス状況を無料で知ることが出来る凄いソフトの使い方

では、このツールを使い、上位2件と対象サイトのデータを見てみましょう。

【図1:対象サイトのアクセス数など】
similarweb

ここで問題発生、Similarwebの「Estimated Visits(推定訪問数)」を数値をご覧下さい。

「1.0k」

『k』は「キロ」の略ですので、推定訪問数は月間1000アクセスと出てしまっています。実際Googleアナリティクスでの計測では14万アクセスです。

このようにsimilarwebはあくまでも無料ツールですので、そこに表示される「数字」やデータを鵜呑みにするわけには生きません。

similarwebは比較することで正確になる?

自サイトのデータは、Google アナリティクスなどを使えば、正確に算出できます。そのデータとsimilarwebのデータ対比率を他サイトに置き換えることで、数字を使えるように出来ます。

この場合、実際のアクセス数「14万」に対して推定訪問数が「1,000」ですので0.7%にまで圧縮されているとみる事が出来ます。

では、1位と2位のデータを見てみましょう。

【図2:地域のポータルサイト】
 

このサイトの推定訪問率は「8.0k」なので、対象サイトの8倍ほどのアクセスがあると予測できます。

【図3:この業界で絶大な人気を誇る全国版のポータルサイト】
 

「M」は「メガ」の略。メガはキロの1,000倍ですので、3,600倍のアクセスがあると予測できます。

ちょっと乱暴な計算ですが、こちらは全国版のポータルサイトですので、都道府県数の47で割って1都道府県辺りの平均予測アクセス数を割り出します。

平均値は、対象サイトの約76.6倍の予測訪問数という計算になります。

検索エンジン経由のアクセス数を見る

次に使うSimilrweの指標は「アクセス経路」です。

【図4:対象サイトのアクセス経路】
 

圧倒的に「リンク経由」のアクセスが多いですね。

おそらく、目標キーワードで上位にいるポータルサイトからのリンク経由のアクセスと見るのが妥当でしょう。

次に1位のサイトと2位のサイトのアクセス経路を見てみましょう。

【図5:1位のサイトのアクセス経路】
 

「Direct」なアクセスが多いですね。ブックマークや「お気に入り」「メールマガジン」などから直瀬すアクセスされていると考えるのがこの場合は妥当でしょう。

【図6:2位の全国区ポータルのアクセス経路】
 

これは意外でした。ダイレクトなアクセスよりも、検索経由のアクセスよりもリンク経由のアクセスが多いんですね。

各数字をチェックして、SEOの戦略を考える

まずは、対象サイトが希望しているキーワードの質と現状を見比べてみましょう。

目標キーワードは、現在5位という状況を改善して1位にしたい。

その月間平均検索ボリュームは18,100という指標。

現在サイトには、14万アクセスがある。

検索経由のアクセスは21.5%ですので30,100アクセス。

仮に1位を奪取でき、18,100の内、90%をそのサイトに呼び込めたと仮定したとしても、アクセスは16,290しか増えず、これは、全体のアクセス数の11.6%に過ぎません。

1位を奪取できたと仮定すると、アクセス経由の割合は33.1%に改善できます。

この会社は、14万アクセスある内、毎月150〜200名ほどがサービスを利用しているとの事でした。コンバージョン率を単純計算する0.11%〜0.14%ということになります。

アクセスが16,290増えた場合、何人の顧客が増えるかを計算すると18〜23人という計算になります。

この数字から言えることは、今、検索上位表示にこだわるのではなく、月間平均利用者数の誤差を縮めること。

この課題を達成することで、検索ランキングで1位を取るよりも2倍から3倍弱の収益増が見込めるということになります。

SEO的戦略はどう取るべきか

そうは言っても、繁忙期とそうでない時期などもありますから、この誤差を改善するのは難しい場合もあります。その場合は、やはりネット集客のテコ入れとなりますので、もう一度、このサイトのSimilarweb数値を確認しましょう。

 

上位2件のサイトと比べると、平均サイト滞在時間で3.13〜6.36倍。ページビュー数は2.08倍から3.5倍。

このサイトのアクセスの内、76.47%がリンク経由のアクセスですから、上位にいるポータルサイトからのアクセス恩恵を受けていることは否めません。

アクセス数の換算すると、107,058がリンク経由のアクセスとなります。

先程の目標キーワードで1位を取った場合のアクセスが46,390ですので、リンク経由のアクセスがこの上位奪取で影響を受けなかったと都合の良い仮説を立てたとしても、リンク経由アクセスの半分にも見たない解散になります。

細かく数字を見ていきますと、リンク経由のアクセスの約3分の1(107,058と30,100の関係)が2分の1弱(107,058と46,390の関係)に改善されるだけです。

純粋に、14万アクセスに検索ランキングで1位を取った際に見込める増加アクセス分を加算した156,290で計算しても、リンク経由のアクセスは68.4%。検索経由のアクセスは29.7%と2.3倍以上の開きを残したままとなります。

こう言う場合は、目標キーワードでの上位表示対策としては、現在抱えているSEO上のマイナス面を改善し、「フレーズ的魅力」に取り付かれていた、現在2位のキーワードでの最適化は放棄することが望ましいと考えられます。

そして、現在このサイトは100ページにも満たない極小サイト。

適切にSEO的マイナス要素を排除し、無駄なキーワードでの上位確保に固執せず、上位表示対策を施しているキーワードにまずは集中する。

そして、その後は、キーワードカテゴリーをはじめのキーワードプランナーの表で示したような「地域+サービスカテゴリー」での表意表示を狙ってもいいですし、おすすめはやはり、Googleアナリティクスに表示される「オーガニック検索キーワード」の数と種類を増やすことに注力したコンテンツSEOを行なう方が良いでしょう。

なぜなら、パーソナライズ検索機能を各検索者のブラウザに機能させること、そしてより購買欲求の高い具体的なニッチなロングテールキーワードと言われる多くのキーワードでのアクセスか獲得することによって、コンバージョン率を引き上げることが出来るようになります。

100万アクセスあって、お客さんが100人。30000アクセスあってお客さんが100人。売上は一緒。

検索ボリュームが18,100のキーワードで上位表示するとなると一般的な企業サイトでは1つのページが限界でしょうが、500ほどのボリュームしかないキーワードで100ページくらい上位表示させる労力は18,100のキーワードで2つ上位表示させるよりも楽になるでしょう。

少ないキーワードで上位表示対策に躍起になると、Googleにおける「特定キーワードへの取り扱い」が変更になった場合、一気にその上位表示は意味のないものになっていきます。

GoogleのテレビCMを見れば音声検索を広めようとする動きが見て取れます。

このような流れにある今でも、特定のキーワードで1位になることをあなたはまだ望みますか?それとも、数多くのキーワードで小さなアクセスを集め、同じだけのアクセスを集める道を選びますか?

詳しい方法などは、こちらの無料e-bookでまとめています。

ホームページ SEO

返事を書く

ご意見を聞かせてください!
あなたの名前をここに入力してください

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください