USPとSEO | 独自のウリがあればキーワードで迷わない

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usp

USPという言葉を最近よく耳にするようになったし、目にするようにもなった。

まだ、USPという言葉を知らない方のために解説すると、USPとは「Unique Selling Proposition」の頭文字で、日本語では「独自のウリ」などと訳される。

日本人は、何かと新しい「あちゃら語」が大好きだが、元を正せば、私に言わせてみれば「差別化」という言葉と何ら変わりない。

ただ、「A社と弊社では〇〇が違う」と言った意味ではないことは、押さえておきたい。

これは、「差別化」という言葉が流行った頃から、理解していた企業は理解していた。

どうやら最近は「言葉から来るマイナスイメージ」と無駄に連想する癖がついてしまったようで、「差別化」から連想される「差別」という言葉にネガティブなイメージを持ち、且つ、翻訳コンサル(ドラえもんの道具みたいだが)が、意味も知らずに流行らせているUSPが世間に浸透してきたのだろう。

ここ最近の問い合せでビックリした話をご紹介しましょう。

電話口の40代後半のとある企業の社長が私のところに電話をかけてきてくださり、ネット集客やSEOについて相談したいと、あれこれと話してくれた。

その中でこんな会話があった。

「USPは、以前コンサルと一緒に作ったんだけど、ホームページにそれをどう活かせば良いのか分からない…」とのことだった。

実際これとよく似たケースは少なくない。

なぜなら、USPの作り方自体が間違っているからだ。

USPとは、そのなの通り「ユニーク(個性的)」な「Selling Proposition(販売命題)」だ。

「販売命題」という言葉は、常用語ではないので、まずは「命題」の意味を調べてみよう。

「命題」とは、Wikipediaによると「意味」や「内容」とあり、誤用も多い言葉のようです。私も今回改めて調べてみましたが、私なりの解釈は「USPとは、自分自身(又は、自社、及びその商品)を販売する事で果たすべき意義」という結論にいきつきました。

例えば、どこにでもあるチョコレートをあなた(もしくは私)が売るとしましょう。

どこにでもあるチョコレートです。

では、なぜ、そのチョコレートを私があなた(もしくは私)売るのでしょう。

更に言えば、あなたが売ろうとしている顧客は、なぜ、あなたから買わなければならないのでしょう。

その答えが、USPです。

では、今回のコラムのタイトルにある「USPとSEO | 独自のウリがあればキーワードで迷わない」について見ていきましょう。

SEOとは、検索エンジン最適化の事だったですよね。

インターネットユーザーが「検索」という行為を続ける以上、ホームページ活用やネットを使った集客においてSEOは外せないでしょう。

SEOの先にはSUO(検索ユーザー最適化)があるという事は、前回のコラムでお伝えしましたので、詳しくは先の記事をご確認ください。(SUOとは

SUOもSEOも、どんなキーワードで検索するユーザーを自社サイトに引き込むかという点では同じですので、「キーワード選び」は重要になります。

ただ、USPの言葉の意味や重要性だけを知っていたのでは、【ホームページ→SEO→キーワード選び→キーワードツール】といった安直な導線を選んでしまいます。

USPは、最終的に1分ほどで読み上げられる文章にまとめられたりする事が多いのですが、この段階に至るまでには、いくつもの「素材」が存在します。

顧客ターゲットだったり、販売戦略だったり、効果効能だったり、顧客ベネフィットだったり・・・。

言うなれば、USPは、「(商品名)を通じ(顧客ターゲット)に(効果効能または、ベネフィット)を享受する」と簡略化する事も出来ます。

USPの事例で有名なのがドミノピザ。「電話1本、出来立て熱々のピザを30分で届けます」というのが、ドミノピザのUSP。

この場合、商品名はピザ、顧客ターゲットは「30分以内で宅配可能な地域に住んでいる方」効果効能、又はベネフィットには、「電話1本」といったお手軽さ、「出来立て熱々」となります。

キーワード選びは、最終的には「宅配ピザ」といった大きめのキーワードになるでしょうし、当初狙うのは「宅配ピザ 30分以内」「ピザ できたて宅配」音声検索なら「今すぐピザを届けてくれるお店」といった具合になるでしょう。

初めてのホームページ作りだったり、Googleのインデックスを早めさせる方法を知らなければ、このままでは3週間から2ヵ月くらい注文が取れないでしょうから、「宅配ピザ」や「ピザ 宅配」といったキーワードでリスティング広告を打つ事になるでしょう。

実は、こういった戦略はUSPを作る段階での「自社目標」を設定する過程で、浮彫りになっています。

逆から考えれば、ドミノピザが顧客ターゲットを「30分以内で宅配できる地域」と言う設定もせずに、そして、その30分以内に届けられる地域を広げるために、どんな方法で宅配するのかということが決まっていなければ、このUSPは生まれません。

そして、これを指摘した方は、私の大好きなマーケターなのですが、このドミノピザのUSPには「美味しさ」に関する記述がありません。「味」は保証していないんですね。

数日前、「美味しい」かどうかというのは、それを食べている環境によって2倍変化するという調査結果があるそうです。

言い換えれば、料理の手間がかからず、電話一本で食事の準備が片付き、30分後には、お腹を満たされる、それは誰もが大好きな「できたて熱々のピザ」ですから、「美味しい」と感じちゃうというわけなんですね。

美味しさを保証してしまえば、味覚は好みもありますから、クレームを招きかねません。

こういうと、「猫舌の人にとっては『できたて熱々』を美味しいとは感じないのでは?」という方が出てくるでしょうが、ドミノピザはUSPの中に「出来立て熱々」を入れる事で、猫舌の人を顧客ターゲットから除外しています。

USPがしっかりしていれば、どんなブログを書いたら良いですか?という事にも困りません。

「出来立て熱々」の「ピザ」について書けば良いのです。

昨今、ネットの世界ではコンテンツSEOが重要だ!などと野賜っているコンサルタントさんや、大手SEO会社が大勢いるようでセミナーなんかで、コンテンツSEOにはキーワードが重要で、キーワード選びにはGoogleのキーワード・プランナーや〇〇キーワードツールを使った方が良いという事だったり、関連キーワード・サーチも便利です、共起語なんかも云々。しまいにはQ&Aサイトや〇〇知恵袋なんかを参考に・・・と言っているようですが、私に言わせれば、そんなものは、選択を迫られた時に「数値」を参考にする程度で、いの一番で使うものではありません。

更に言えば、「顧客に対して真摯」になれていないのではないでしょうか。

あなたが、あなたの顧客を数字として扱うのなら、あなたも数字として扱われているでしょう。

だから、マニュアル通りの接客しか受けられないのではありませんか?

USPは、それ自体が重要なのではなく、USPを作成する過程で具体化する各素材の方が重要なのです。

【問題】

このコラムのトップにある画像は、なぜ、外国人の「子供」3人の後ろにUSPという構成にしてあるのでしょうか!

この謎が解ければ、USPの作成には失敗しないでしょう。

USPの作成に失敗しないという事は、販売戦略にも失敗しないという事です。