マーケット・インか、プロダクト・アウトか

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マーケット・インか、プロダクト・アウトか

まず、ご質問です。

上の画像の2人で、あなたが取引をしたいと思うのはどちらですか?

では、もうひとつだけ、ご質問。

上の2人の内、あなたが今欲しいと思っている商品を買うなら、どっちの人から?この2人が、正に今、あなたに対してプレゼンを行なっている様子としてみたらどうですか?もしくは、そのプレゼン資料を作り終えた時の2人の表情だとしたら…

マーケット・インとプロダクト・アウト

商品やマーケティング戦略を立てる方法には2通りあると言われ、そのひとつが「マーケット・イン型」といわれ、もう片方が「プロダクト・アウト型」と呼ばれるものです。

マーケット・イン型というのは、市場ニーズを捉え、時代や市場のニーズに応える商品やサービスを生み出し、ビジネスを展開する方法で、プロダクト・アウト型とは、その逆で、既に商品やサービスは存在し、それをどうやって売ろうかと考えるのが、プロダクト・アウト型という戦略フレームワークです。

今回ご紹介している『浮世離れしたECコンサルの身勝手だがもっともらしいニュース』の中では3つ目に「時代の潮目が変化」したことを減収減益を招いたECショップの原因のように捉えていますが、正に、これがコンサルタントが得意とする「マーケット・イン型空論思考」と呼んでいる考え方の最たる例です。

どのようなことを上げていたかと言うと、1つ目には「円安」や「増税」による打撃。2つ目には「商品トレンドの変化」。特に「商品トレンドの変化」の項では、驚くことに「今もよくわからないサラダのボトルがめちゃめちゃ売れていますが」と、恥ずかしげもなく「売れている理由が判らない」と記述しています。

これは、マーケティング・コンサルタントがよく陥る例なのですが、トレンドを商品ベースで考えると、このように「売れる理由」や「売れなくなる理由」が分からないといった事態に陥ります。顧客目線で見れば、売れる理由は明らかで、売れない理由も明らかです。

売れる理由は「顧客(市場)に欲しいと思われたから」売れない理由は「顧客(市場)に欲しいと思われなかったから」ただ、これだけです。

これは、マーケット・イン型空論思考では、乗り切ることができません。

同じ、マーケット・イン型でも、トレンドのヒモ付きまで見ていれば、戦略は尽きることがありませんから、ビジネスが一時的に鈍化するということはあっても、減収減益とまではなりません。

なぜなら、次のトレンドも視野に入っているからです。

この場合のトレンドは具体的な商品やサービスではないですよ!あくまでも市場ニーズのトレンドです。

この点、プロダクト・アウト型だと、「これなら売れる!」との情熱とともに商品づくりが始まり、商品を市場に流通させるためにリリースしたのですから、たとえ流行り廃りが来ても、その商品への情熱がある限り、「次は、〇〇と言った人に売れる!」と顧客を横展開できるようになります。

今回取り上げたコラムの執筆者K氏によれば、今後も円高・円安は起きてきますから、振り回されない体制を作る必要があるでしょう。補助金や助成金、暫定として緊急融資などで対応するという手もありますが、恒久的ではありません。と、「それができれば苦労はしない」と一蹴されそうな対応策しか挙げていませんし、結局のところ一時しのぎの策しかなく、そしてそこには「全く顧客」が存在しないという典型的な『ビジネスコンサルタント』のご意見が宣われていました。

更には、ピポット(転換)を検討しなくてはならないと…。

そのピポット案と言うと、海外に向けた販売を例に挙げていましたが、正に「隣の芝は青く見える」的な発想で、「どうぞ、私に海外の販売先コンサルをお申し付けください」という考えが見え見えです。

決して、このような「空想ビジネス」には乗っからないようにお願いしたいものです。

では、流行り廃りで売れなくなった商品をどうやって売るのかをご紹介しましょう。

プロダクト・アウト型で「売り続ける」戦略

世の中の流行り廃りには、『前の流行を受けて次の流行が出てくる』ということがよくあります。

新しい流行ものが出てくれば、もちろん、その人気の座は奪われますので、同じようには売れません。そう言った意味ではピポット(転換)は必要になりますが、商品を変えたり、売り先を変えなくても「アプローチ角度」をピポット(転換)するという方法があります。

有名な例なら、缶コーヒーの「ワンダ モーニングショット」が良い例ですね。

成熟した缶コーヒー産業に「朝専用」というアプローチ角度を変えて大成功を収めました。

紹介している記事の中で出て来ていたボトル詰めサラダも、今は「作り置き」や「お弁当」「持ち寄り」をアプローチラインにしているようですが、「一日に必要な野菜を詰め込んだ具材一式、あとはフライパンでサッと炒めるだけ」といった新鮮野菜のレトルトパック的な売り方もできるでしょうし(既にやっているかもしれませんが)、「ウサギの餌」としてアプローチ角度を変えることができるでしょう。

また、もっとシンプルに、現在このボトル詰めサラダは「忙しい方の新感覚サラダ」と「忙しい方」を対象にしていますが、忙しくなくても「もっと手軽に野菜を食べたい」もしくは「もっと野菜を食べた方が良い」方は、いろいろいます。

例えば、「忙しくない」と言ってしまうと語弊がありますが、「野菜を食べて欲しい旦那様のお弁当に」というのはありだと思います。私も会社員時代は妻の愛妻弁当を持っていっていましたが、しなびた野菜は、野菜好きの私でも「美味しい」とは言い難いものでしたので、普段のお弁当箱とは別にこんなボトル詰めサラダがあったら、職場でボリボリ食べれたんじゃないかと思います。

売り先を変えたり、商品を変えるのは、コストもかかるし時間もかかる、必要なピポットは物的ピポットではなく「発想」のピポットなのです。

大手SEO会社AとDの最新サービスから見える、SEOの潮流

最後になりましたが、『大手SEO会社AとDの最新サービスから見える、SEOの潮流』について、お伝えしておきたいと思います。

ここまでのお話の通り、私が初めにこの3つの記事を取り上げ、その中でもSEOサービスに関してはほとんど紙面を割いていない理由からも、外注で受けるSEOサービスがビジネスに及ぼす影響は少ないということを感じて頂けるかと思います。これをアンチSEOコンサルが言うのならまだしも、私の属性を見れば・・・ね?(笑)

では、改めて見ていきますが、まずはおそらく大手でしょうSEOサービスを提供している株式会社DのGoogleアラートから飛び込んできた新サービスのニュースリリースですが、そのタイトルがすごい!

『【Google SEO対策】 5日後に14位⇒6位!上昇させたSEO対策は何?』

私ならハッキリこう答えます。

それは、「Googleの気まぐれで、SEO対策の成果ではありません。」と…

なんなら、4ページ目から1ページ目ということもありますし、60位台だったのが、ベスト5入りなんてこともよく起きます。

結局この株式会社Dは、この成果を生んだSEO対策は「被リンク」と言っており、競合を調べてそのライバルサイトよりも高品質なリンクか、同品質程度のリンクをより多く提供しますといったものなのですが、「被リンクの性質」を知っていれば、絶対に手を出さないサービスです。

なぜなら、被リンクとは「発リンクサイト(リンクを掲載するサイト)」と「被リンクサイト(リンクが贈られるサイト)」の関係性に依存しますので、言い換えれば、私のサイトに対して「高品質」と判断されるリンクは、貼ってみなければ判らないということです。

これがGoogleが言っている「リンク」に関する考え方です。(ただ、リンクの「質」は『いまのところ』それほど厳密ではありませんが・・・)

このプレスリリース記事からのリンク先は、サービスへの無料相談ページへと繋がっているのですが、そこでは、大胆にも「今だけ『被リンクプレゼント』200本まで」との特典付き!

このことから、実際にこのD社の被リンクサービスが通用し続けるのなら、Googleが言っている「ペイドリンクの根絶」は行なわれていないことになりますし、Googleがペイドリンクや自作自演のリンクを取り締まれるようになっているのなら、このサービスは確実にあなたのサイトを検索結果の圏外に追いやるという結末を迎えるでしょう。

でも、それなら・・・と疑問がわきますよね。

なぜ、D社は「事例1」としてでも、順位が上がったのか…?

その答えは明白です。「リンクの質は『どうでもよいもの』」であり、順位変動はGoogleの気まぐれということです。

さて、最後は、同じくSEO業者大手の株式会社Aのサービス。「オウンドメディア云々」なるものでしたが、私が「オウンドメディア」なる言葉の意味を知りませんでしたので、ちょっと調べてみたのですが、要するに自社管理のインターネットコンテンツのことを「オウンドメディア(own media)=自分のメディア」の英語表記でした。

どうやら「新しいマーケティング手法」として捉えている会社もいるようですが、自社メディアの運営は、「media=媒体」ですから、「紙」の時代からありましたので、全く新しくはありません。

このサービスは、Web上の「オウンドメディア」の最適化を支援するサービスなのですが、冷静に考えてみると、Web上で最適化されているかどうかは、検索結果を見れば判りますし、顧客に対して最適化しているかは、売上を見れば判ります。ですから、これはテストの実施しか知る術はないわけです。

そのテストの方法が判らない企業様が多いので、この株式会社Aさんは、自社媒体の最適化支援といったサービスを提供されるのでしょうが、「Web上で最適化されているかどうかは検索結果を見れば判る」と言いましたが、実はこれは嘘で、本当は「売上」を見なければ判りません。

改善の方法は、以下の通りです。

  1. ホームページにアクセスがもたらされているか
  2. 適切なキーワードでアクセスされているか
  3. アクセスされているキーワードは増えているか
  4. 見せたいページは、ちゃんとアクセスされているか
  5. 見せたいページからコンバージョンは取れているか

たった、この5つです。

ここで言う「適切なキーワード」とは、あなたの商品やサービスに関連する語句が含まれる検索キーワードのことです。

「アクセスされるキーワードが増えている」というのは、俗にいう、3語や4語以上、または文章などで検索される「ロングテール・キーワード」が増えているかということで、これはGoogleの無料ツール「Google アナリティクス」をい導入すれば誰でも無料で知ることができます。

見せたいページとは「セールスページ」や「資料請求のページ」のことで、検索から直でこのページにアクセスされるケースと、検索にヒットした「記事ページ」からセールスページにアクセスを誘導するパターンの2通りがあります。(この他、SNSからの誘導やメルマガからの誘導もありますが)

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