顧客のことを「オタク」と呼んではいませんか

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今回は、ネット集客のこととは一見かけ離れているようなタイトルですが、実はとても関係深いものとなっています。そうと言うのも、もしかすると、あなたは知らず知らずの内に顧客のことを「オタク」と呼んでいるかもしれません。

「そんなことがあるはずもない!」と、きっと、多くの方がこの記事のタイトルを目にした時にそう思いスルーしたことでしょう。

しかし、Facebookがこのことを改めたと聞くと、驚かれるかもしれません。

この記事を読み終えたとき、あなたは、①新規獲得の呪縛から解放されるようになるでしょうし、②リピート顧客を増やすアイデアが沸き出す思考を手にできるようになっていることでしょう。

  気付かないうちに顧客を「オタク」と呼んでいた

アメリカFacebook社が社内で「ユーザー(User)」という言葉を使わなくなったと言う話しが入ってきました。

(「『ユーザー(User)』と呼ぶことと『オタク』と呼ぶことは違うのでは?」と感じる方も多いでしょうが、もうしばらく読み進めてみてください。)

私は、なぜだろうと思い、また代わりになんと呼んでいるのだろうと調べてみると、現在はFacebookの利用者のことを「ピープル(People)」と呼んでいるそうです。

本記事では、Facebookが利用者の呼び名を変更した背景をご紹介しながら、日常的に使う「言葉」と「行動」「思考」が連動しているというお話をご紹介いたします。

では、まずは過去日本でも影響を受けた「呼び名の変更」と今回のFacebookの考えをご紹介いたします。

  抽象名詞を変更する理由

過去米国では「ビジネスマン」という言葉が「男性」を差す言葉で女性に対しても用いられた際に差別感があるとかないとかで「ビジネス・パーソン」という言葉が一般的に使われるようになったと言うことがありました。

きっと、このことは多くの方々がご存知のことだと思います。

それに関連してのことかな?「ユーザー」だと売込みと言いますか、「販売者(バイヤー)」と「使用者(ユーザー)」という関係性が強くイメージされることから、Facebookは直接的には何も販売していないというイメージもありますので、この関係性と実際、彼らが思い描いている、または感じている関係性に隔たりがあって変更したのではないかと思いました。

しかし、いささか違ったようです。

 今月22日付けのマイナビニュースによると、一見、「ユーザー=顧客」と商売っ気を連想させる呼び名から「ピープル(People)」というやんわりとした表現に変えることから、誤解を避けるため、またより多くの意味を持たせるために変更したのかと思っていたのですがそうではなく、英語のネイティブに質問をおこなったところ事情はかなり異なったようです。

どうやらアメリカでは「USER」という呼び名は、テクノロジー産業とドラッグディーラーくらいの業界でしか使わないそうなのです。

また、スラング的な意味合いで「user」=【違法ドラッグの常習者」】という意味合いがあるそうです。

下記は、マイナビニュース様からの一部引用記事です。

(参考URL:http://news.mynavi.jp/column/svalley/595/

「それはピープルを使うようにしたのではなくて、ユーザーという言葉を使わないようにした結果だよ」と言われた。ユーザーというと、日本語ではサービスを利用してくれる人とのつながりが感じられるような言葉だが、米国で顧客のことをユーザーと呼んでいるのはテクノロジー産業とドラッグディーラーぐらいなのだという。

ドラッグディーラーとドラッグ常習者の関係に見られるような顧客をあざけるようなニュアンスがユーザーという言葉から伝わりかねない。

おそらく、ドラッグ産業の「常習者」「中毒者」「依存者」というニュアンスが転じて、テクノロジー業界でも使われだしたのでは?と思われます。

これは、日本では「ゲームオタク」という言葉が流行し、現在では「〇〇オタク」という呼び名が増え蛸とに似ているようにも思います。

今では「オタク文化」と言われるまで日本国内ではそのイメージが浄化されたようにも思いますし、「オタク文化」は「日本文化」として海外にも知られるようになっていますが、このことは「ビジネス志向ありき」で進んだと言うことを見落とすと、大きく見間違えてしまうのではないかと思います。

『アメリカFacebook社が社内で「ユーザー(User)」という言葉を使わなくなった』という思考と行動様式の変化は、こう言ったスラング的意味合いを持つ「user」という呼び名に違和感を感じ「People」と呼ぶようになった、重要なのは、ここにある「違和感」だと私は思います。

  違和感を感じなければ、行動は変わらない

こういった言葉への繊細な感覚は、私達日本人も持っていると思うのです。

ですが、カタカナが横行し、そう言った感覚が鈍くなってきていることも少なくないのではないでしょうか。

「顧客」と「お客様」でも、一見後者の方が、対象者を重んじているようにも見えますが、字を見れば大きな違いがあることにお気付きになられるはずです。

「お客様」という文字を分解すると、それに続く対象に敬意を払い付ける「お(御)」。

そして、同様に前にある対象に敬意を払うために付ける「様」。

これはどこか「御御御付け」(みそ汁)と言葉の発生が似ていると感じるのは私だけでしょうか。

言葉は悪いですが、「奉っているだけの平拝み」のような感覚を受けます。それも、経験則ではありますが、意味もなく「お客様」を使う方のほとんどが「新規獲得」のことばかりが気になっているような傾向があるように感じます。

なぜ、このような感覚が生まれるかにも理由があります。

それは「御」にも「様」にも、それぞれ単体では意味を持たない言葉ですので、先述した通り「みそ汁」のことを「お味噌汁」という方は多くても、「御御御付け」と呼ぶ方は昨今ほとんどいないように、対象を敬うだけの接頭語や接尾辞を連発したところで、「思考」には影響しない、心から対象に対し敬意を払い続けることはできないということなのです。

また、接客時などお客様と相対している時にだけ「お客様〜」と呼ぶ営業担当や接客担当も少なくないように思えます。詰め所に戻ると「あの客」などと呼ばわり「思考」と「言動」が一致しないことも多いことからも「お客様」と言う呼び名では、「続ける」というキーワードが持続し難いことがうかがえます。

もちろん、相対している状況(接客時)など、顧客のお名前が分からない際には「お客様〜」と呼ぶことが適切だとは思いますが、「お客様を増やしたい」という使い方は如何かとも思います。

  「顧客」と言う呼び名に含まれる思考

「顧客」とは文字通り「顧みる」「客」。「客」を丁寧に言えば「お客様」となります。

来訪者や、購入者に対して「お顧客様〜」という呼び方は適切でなく、目の前に対象の方がいらっしゃり「顧みる」姿勢があるのなら、お名前でお呼びするのが最適だと思います。

このことは、ホテルや接客を主とするサービス業界では、昔から取り入れられていることですし、また日本では「名前」、特に「苗字(姓)」には特別な感覚があるため、軽はずみに「〇〇様」と呼ばれることに抵抗を感じられる方も多いため、一言「お客様、〇〇様とお呼びしてもよろしいでしょうか」と耳打ちしたり、あえて役職に様を付けてお呼びするなどが、接客時には使われます。

少し、脱線しましたが、「顧客」という言葉が持つ意味に戻りましょう。

「顧みる」は動詞ですので、「誰が」というのが陰に含まれます。

この場合の主語は「私達(サービス提供者)」となります。

また、「顧みる」という言葉には、「1」過ぎ去ったことを思い出す(回顧する)「2」心にとどめ考える、気にかける「3」振り返ってみる。とあります。

これを繋ぎ合わせると、「顧客」という意味は「私達サービス提供者が、心にとどめ、気にかけるお客様」のこととなります。

「新規顧客獲得」という言葉と「新規獲得」こういった言葉の使い方からでも、感覚的な刷り込みが行なわれ「常連顧客」を大切にし、尊び、増やそうという意識が生まれて来ます。

LTV(life time value「顧客生涯価値」)たるビジネス英語が流行る中、本来は、この価値を最大限に引き上げより良い関係を顧客と構築することを意味する言葉ですが、業界平均や社内実績から、新規獲得コストの上限を算出し、新規獲得にかけるコスト計算のためだけの指標に使われているようにも感じます。

だから、獲得できない。

これが、新規獲得が非効率になるメカニズムです。

「新規顧客獲得」という言葉を使い始めることで、「新たに顧みるお客様を獲得する行為」という感覚が根付き育まれます。

そうすると、既存顧客へ一旦、思考がシフトします。

既存顧客にマインドがシフトすると、如何にして「常連」⇒「御贔屓」を増やそうかと発想が生まれます。

そうすると、自然に「御新規」に対して、また「見込み客」に対して、御社と関わることでの未来を提示することが可能になります。

これが、コピーライターの世界で必須ともいわれるNLPのテクニック「フューチャー・ペーシング」なのです。

LTVを算出することで、「Time」を伸ばすための発想が生まれますし、「value」を引き上げるアイデアも生まれます。

LTVを算出し、新規獲得にかけるコスト上限だけを算出していたのでは、これらの発想は生まれるはずもなく、顧客取引平均期間は減少し、その間に得られる利益も、顧客にお渡しすることのできる「利益(value)」も減少する結果となります。

その反動が「値下げ」「価格競争」へと繋がっていくわけなのです。

今回の「『user』から『People』」への変更を知り、私自身、言葉を扱う職務故にもっと言葉を学ばなければならないとも感じました。

また、これだけビジネスシーンでカタカナ英語が使われる昨今では、ますます英語力を身につけなければと感じました。

今回のニュースが、皆様にとってお役に立てば幸いです。

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