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松村です。
いくつもの店舗オーナーとお話しする機会に恵まれ、その後、成果に向上が見られる店舗とそうでない企業には、大きな違いがあることが見えてきました。
成果向上が見られる店舗オーナーは正しく「天秤」を使うことができるオーナーであり、常に一方におく錘は一定だということが分かってきました。
これに対し、成果を挙げるどころか、ますます事業を悪化させてしまうオーナーの特色として天秤を使えない、もしくは天秤の両皿に乗せるモノが、その時々で変化しているケースというのが多々見受けられました。
要約すると、価値基準が明確ではないわけです。
ひどい場合になると私的な感情が入り混じり、支点の位置すらずらすケースまで生まれます。
では、成果を出すための価値基準、常に一方に載せ続ける「錘」とは何かとなります。
この「錘」価値基準こそ、経営の根幹をなすUSPに他なりません。
USP
ユニーク・セリング・プロポジション
日本語訳では「独自のウリ」「顧客が『あなた』買わなければならない理由」などとも表現されますが、私は近ごろ次のように表現しています。
それは…
「あなたしかできない、顧客への約束」
この顧客への約束を5W1H分析を使い、
どんな顧客に(Who)
何を(What)
どこで(Where)
いつ(When)
なぜ(Why)
どうやって(How)を使って明確にしていきます。
まずは、どんな顧客(Who)に対して最高の約束を守り続けることができるのか。
それは、何(What)を提供することで実現できるのか、「何(What)」の部分は1つの商品やサービスではないかもしれませんし、最終的な顧客に提供するサービスや高次の欲求実現かもしれません。
そのためどこで(Where)は、その機会機会によって変化するかもしれませんので、USPを文章に落とし込んだ際にWhereの部分は抜け落ち、戦術部分、どこでその提供を行うのかということに関連してくる場合もあります。
次に「いつ(When」とは、顧客心理のどのタイミングでと言い変える場合が私の場合は多くあります。
どんな悩みが顕在化してきたタイミングなのか、どんな体験をした時に訴求できる約束なのかというシーンをイメージすることもあります。
更に「なぜ(Why)」の部分には、なぜその約束を守ることができるのかという角度からアプローチするものと、「なぜ、それが約束を果たすことに繋がるのか」という両側面からアプローチします。
最後に「How」具体的な行動を明示します。
具体的な行動は商品別、サービス別で異なってくるでしょう。
企業は商品を売るために存在するのではなく顧客に貢献するために存在するという立場をとれば、このHow(どのようにすれば)には、「弊社と関係を持つこと」となりますので、いちいちUSP文章の中に記述する必要はないでしょう。
USPを掲示する場所や伝えるタイミングさえ間違わなければ、わざわざ口にすることで、恩着せがましく感じたり、自信がないように感じさせることもありますし、押し売り臭が出ることも少なくないからです。
具体的な行動は、一般認識の媒体特質を転換させる場合に用いるのが効果的です。
Web上のセールスページやオプトインページ、ネットショップに決済画面に移動するボタンに、具体的な行動を促す「ここをクリック」という記述があるのは、インターネットは「情報スペース」という広い認識があり、インターネットが「買い物をする場所」ではないため、この一般認識を転換させるためには、具体的な行動の明記が必要な訳なんです。
先日、スタッフに数字を見せ、数字を意識させるデメリットについてある方とお話ししたところ、メイン目標であるはずの売上向上という錘をコスト意識形成と比較できず、コスト意識の形成と現行様式の変更とを天秤にかけてしまい、メイン目標を脇に追いやってしまっていた感が否めませんでした。
確かにコスト意識の形成は必要でしょう。
しかし、売上が芳しくない状況下でのコスト意識教育は、最もコストのかかる人件費の削減をイメージさせ、向上心に欠けるスタッフにおいては、身の危険を感じ転職を意識し、売上向上にフォーカスすることはありません。
ビジネスも人生も常に選択と決定の連続です。
天秤を上手く使い、主目的の達成にフォーカスしましょう。
補足
コスト意識形成を行う中で、向上心の欠けるスタッフに自主退社を促し向上心に富む新規スタッフの採用を進めている場合なら、手法としてはOKかもしれませんがね…
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