

この記事は、セールスと集客を成功させる基本7要素を整理しながらセールス戦略を組み立てるポイントをご紹介する【後編】の記事です。
下記の記事と合わせてお読みいただけると、より深く内容をご理解いただけます。
2019/05/01 https://matsumuratakumi.com/12617/これまで直接営業、広告、電話営業、ネットといくつものシーンで集客やセールスに携わってきましたが、セールスの基本には「商品特性」「顧客特性」に加え「得意な売り方」の3要素が複雑に絡み合っています。
2019/05/02 https://matsumuratakumi.com/12644/集客とセールスをん基本7要素とは、以下の通りです。 セールス戦略の構築には、自社の強みと弱みを適切に把握し、もっともスムーズなセールス活動が営まれるよう改善を加えていくことも大切です。
売り込み方(セールス手法)で変わる購買心理
売り込み方(セールス手法)で見込み客の購買感情が変化することは、セールスマンや経営者でなくても知っているはずなのに、セールスの現場では、なぜか、多くのセールスマンや経営者が、この「自身の体験」を無視したセールス戦略を組み立ててしまいます。
売り込み方の違い、セールス手法の違いと購買感情の変化について、単純に解説すれば、セールスマンの物腰や口調によって「買いたい」「欲しい」という気持ちが大きく左右されます。
しかし、売り込み方の違い、セールス手法の違いと購買感情の変化は、体験してきた「売られ方」を直感的に振り返ることの難しい要素がいくつかあります。
それが、本記事で解説する「プレゼンを受けなければ購入を決断できない人」「対面販売やプレゼンを極度に嫌う人」加えて、「文章でセールスされると買ってしまう人」とセールス文章だと気付いた途端「文章を読まない人」また、「文章を読まない上に買わない人」に関してです。
- プレゼンを受けなければ購入を決断できない人
- 対面販売やプレゼンを極度に嫌う人
- 文章でセールスされると買ってしまう人
- 文章を読まない人
- 文章を読まない上に買わない人
人の購買は「衝動によって買い、後から理屈で納得する」と、一般的には言われます。
この購買行動の基本原則である「衝動によって買い、後から理屈で納得する」が意味するところは、人の購買行動とは「衝動買い」が、基本だということです。しかし、人の衝動は常に「思いつき」的または、突発的な衝動でもの買い物を行っているわけでもありません。
誰もが何かを「欲しい!」「必要だ!」と、購買衝動が芽生えてから、実際の購買に至るまでには、突発的な衝動に駆られて購買に至るケースと経済的な理由などから「買わない理由」を見つけなければ、ストレスになってしまう人や突発的に発生した衝動を正当化しなければ、購買行動を起こせない人などがいるわけです。
対面セールや直接説明、プレゼンを受けなければ購入を決断できない人と対面販売やプレゼンを嫌う人
世の中には対面セールスやプレゼンによって衝動が掻き立てられる人と、過去の失敗経験などから対面セールスやプレゼンセールスを過度に嫌う人、もしくは、対面セールスやプレゼンなどの「説明」や「商談」が購買行動のトリガーにはならず、かえって判断を見誤ると考えている人などがいます。
本段落のタイトルにある「直接説明」とは、売り手と買い手が直接対峙せずに電話やインターネットの「チャット」など間接的な対峙ではあるものの1対1で消費者にサービスの説明を行うセールスプロセスを意味します。
もちろん、「プレゼンを受けなければ購入を決断できない人」「対面販売やプレゼンを極度に嫌う人」加えて、「文章でセールスされると買ってしまう人」とセールス文章だと気付いた途端「文章を読まない人」また、「文章を読まない上に買わない人」は、『マーケティング戦略立案の基本3大要素。「マーケティング戦略」とは一体何か』で紹介している「商品特性」に置き換えることも可能です。
「プレゼンを受けなければ購入を決断できない人」「対面販売やプレゼンを極度に嫌う人」加えて、「文章でセールスされると買ってしまう人」とセールス文章だと気付いた途端「文章を読まない人」また、「文章を読まない上に買わない人」を商品特性に置き換えると…
- プレゼンを受けなければ購入を決断しにくい商材
- 対面販売やプレゼンを必要としない商材
- 会話(対話)よりも文章でセールスされた方が買いやすい商材
- 会話(対話)よりも文章でセールスされると売れにくい商材
また、社内リソース(得意な売り方と不得意な売り方)としても分類しセールス戦略を立てることが重要になってきます。
- 対面セールスや商談形式のセールスが得意である。
- 説明会などへの集客が得意であり、かつ、プレゼンセミナーでの販売が得意
- コールセンターを活用した販売が得意もしくはリソースがない。
- インターネットやチラシなどを使ったセールスライティングによる販売が得意である。
- 比較的長めの文章は使わず、画像やキャッチコピー、短めの動画を使ったセールスが得意
など…
人の購買衝動は、その人が持っている特性に加え、商品特性と売り手の得意分野とが密接に関係しながら変化します。
そのために、同じ商品ジャンルでもA社は対面セールスで売上を伸ばし、インターネットでの販売が不調なのに対し、B社では営業マンをほとんど揃えずインターネットだけで売上を伸ばしているといった違いが生じます。
売り方だけではなく、商品ジャンルによっては、従来得意だった自社の売り方では売上が伸びない商材や顧客層に手を出してしまい、業績が悪化するということもあります。
電話セールスを好む人と拒絶する人
基本的に電話セールスに限らず、人はセールスされることを嫌っていると考えがちです。そのため、多くの企業が獲得できるはずの売上を取り逃がしています。
人は、セールス(売り込み)されることなく、商品を購入するシーンは、ほとんど存在しないというのが現実です。
もちろん、拒絶感を感じるセールスと売り込みされているとは全く感じないセールスは存在します。
“キャベツひと玉、78円”の値札にセールスされていると感じる人は、ほとんどいないでしょう。しかし、普段通っているスーパーでの価格と瞬時に比較し、この価格はいつものスーパーよりも「お買い得ですよ!」と売り込まれ(セールスされ)ているため、広告のスーパーへ人は足を運ぶわけです。
それが、多少遠いスーパーであっても、ガソリン代を使ってでも、安いお店へ車を走らせて、人はセールスに乗って買い物に出かけるのです。
同じ売り込みの中でも、特に電話セールスに対しては、多くの売り手が「嫌われやすいセールス」だと考えています。
電話セールスに関しても、商品特性や顧客特性、社内リソースや売り方の得意不得意によって「嫌われるセールス」になる場合と購買率を上げるセールス・プロセスになる場合があります。この電話セールスが「嫌われるセールスとなるか購買率を上げるセールス・プロセスになるかの境界線」が、どこにあるかご存知でしょうか。
この電話セールスが「嫌われるセールスとなるか購買率を上げるセールス・プロセスになるかの境界線」は、売り手からの電話か、それとも、買い手が電話したのかによって分かれます。

買い手が、売り手に対して電話を要求するケースもありますね!
ホームページから問い合わせを行い、折り返しの電話が売り手からかかってくるというケースです。
この場合は、「買い手が電話した」場合と同じように、購買率を上げるセールスに含まれます。
電話セールスを好む人の多くは、購買を起こすための「あと一歩」を誰かに背中を押して欲しいと考えている人たちです。そのため、購買者が自発的な電話セールスを希望するための仕組みは、ほとんどの顧客特性もしくは商材に対して有効だと言えます。
しかし、社内リソースの関係によっては、購買者が起こす自発的な電話セールスへの対応がマイナスに転じることもありますので注意も必要です。
特に電話セールスを希望する顧客特性を持つ人には、共通して「文章を読まない」傾向が強くあります。しかし、「文章を読まず電話セールスを希望する人」の中には、一度、大量の文字情報に触れることで、より一層、電話セールスへの希望を募らせる傾向もあります。
この顧客特性をセールス・プロセスに組み込んで考えるなら、「インターネットや紙媒体を使って、まずは文字情報を提供し、問い合わせの電話を発生させ、電話セールスでクロージングする」という流れになります。
単純に言えば「集客は文字、セールスとクロージングは電話」という流れです。

セールスの鉄則でもある「聞き手になるか、それとも話してになるか」と言うことですね!
基本的に、セールスマンが「話す側」に回れば、売り込み臭が増し、買い手が「話す(質問する)」状況になり、売り手が「聞き手」となり、質問位応える状況ほど、セールスは成立しやすくなります。
そのため、インターネットをセールスプロセスに組み込む場合は、「目に売り込み、耳で買わせる」ことで、電話セールスなどの「売り込まれること」を嫌う人、および”セールス手法の違いによって購買感情が顕著に変化する気付かざる購買感情”の④「文章を読まない人」への購買率を上げることが可能となります。
また、後述しますが「目に売り込み、耳で買わせる」の「目に売り込む」場合は、文字情報だけではなく、画像や映像で売り込むことも有効になります。
文章を読み買う人と文章は読まない上に買わない人
インターネットを使ったセールスプロセスがもっとも有効なのは「セールス手法の違いによって購買感情が顕著に変化する気付かざる購買感情の③文章でセールスされると買ってしまう人」です。
「文章でセールスされると買ってしまう人」に対しては、基本的にセールスページが多用されますが、オフラインでのニュースレターやチラシも有効です。また、ネットの場合は、必ずしもセールスページでなくてもブログやメールマガジン、最近ではSNSの投稿だけでも購買率を高めることができます。
「文章でセールスされると買ってしまう人」には、売り込まれる際の「声のトーン」や「売り込まれるシーン(場所やシュチュエーション)」の違いによって、購買率が不安定な傾向があるようです。
しかし、「文章でセールスされると買ってしまう人」がセールス文章や、セールスにつながる文章を読む場合は、買うことを前提に、これらか財布の紐を緩め「買うこと」に前向きにな姿勢で文章に触れるため、購買率が高くなります。
加えて「文章でセールスされると買ってしまう人」は、購買の決定に対して他人(売り手)からの影響を極力少なくしたいと考える傾向も持っており、購買に対しては、自身の判断を尊重する性質を持っています。
そのため、セールス文章に購買に必要な情報が欠けていた場合、④「文章を読まない人」のように問い合わせの電話をかけることなくさらなる情報を探し、他社のセールスページやブログに流れてしまう場合があります。
このような性質を持つ「文章でセールスされると買ってしまう人」に対しては、比較的購入を決断しやすく、長々とした解説や説明を必要とせず、文章のみで購買衝動を掻き立てられるフロントエンド商品を準備しバック・エンド商材の販売は、定期的に一定量の文字情報を提供しながら購入に向かわせるのが得策と言えるでしょう。

「文章でセールスされると買ってしまう人」をターゲットにする利点は、1回の労力や投資(セールス文章の作成)を繰り返し利用できることと、ABスプリットテストなどを行い、また、アクセス解析などのデータを参考にセールス効率の改善ができる点にあります。
「文章でセールスされると買ってしまう人」とは対照的に「文章を読まない上に買わない人」への販売率を上げる方法は、インターネットでは「動画」が有効です。また、近年ではInstagramなどを使った「画像」で引き込み、フォルムやビジュアルで買わせると言うのもひとつの方法です。

最近では死後になりつつありますが、ジャケ買いさせるのも「文章を読まない上に買わない人」を対象にする場合は有効です。
「文章を読まない上に買わない人」は、基本的に文章を読むことを嫌いますが、だからと言ってインターネットを使わないと言うことはありません。
そのため、「文章を読まない上に買わない人」に対する文字の多いポスティングチラシはゴミでしかありません。逆に同じポスティングチラシでも、ピザ屋さんのチラシのような視覚に訴えるチラシは有効です。
文章を読まない人には、人の話にも耳を傾けない(聞いているのか聞いていないのかわからない。話したことに対する反応が薄い)傾向があるため、直接セールスや電話セールスもあまり効果を発揮しません。その反面、画像や極端に短くインパクトの強いキャッチコピーなどには過度に反応し、インターネット検索も利用するため、リスティング広告を使い、多くの画像や映像を掲載したセールスページを使ったセールスプロセスが販売率を高める場合もあります。
近年は、私たちの生活ではインターネットに関わる時間が大半を占めるため、文章が書いてあるだけで買う気が失せると言う人は、そもそもネットで買い物をしようなんて考えていません。仮に、ネットサーフィンの最中、欲しいものが見つかった場合でも、次の休日に街に出かけて同じような商品やサービスを探し、目で見て触って、話を聞いて(もしくは、そのいずれか)何かを購入します。
このような「そもそもネットで購買行動を起こさない人」でも、ネットを使い、SNSも使って情報に触れているため、来店客を増やすためにネットを使うのは有効です。
ここで、多くのネットでそれなりの成果を上げた店舗系経営者が犯しやすい過ちが、ネット通販を始めてしまうことです。
ネット集客とネット通販には「似たような成功要因」も少なくありませんが、根本的な顧客層が異なる場合があります。私たちが、ネット集客のお手伝いやネット通販のお手伝いができる理由は、それぞれ異なる顧客特性と社内リソースを照らし合わせながら、最適なセールス・プロセスを設計し改善を加えていくからです。
間違っても、ネット集客で成果が上がった方法を、そのままネット通販い用いて成果が上がるわけではありません。逆にネット通販でうまくいったから店舗を出店して、同じ手法でお店の売り上げを増やそうとしても、それは茨の道でしかありませんので、区別するように注意が必要です。
衝動買いとセールス
「人は衝動(感情)で買い、後に理屈で納得する」が、購買行動の基本にある限り、衝動買いを誘発するセールスは、多くの場合で有効です。
もちろん、マイホームや生命保険など、衝動買いするものでもなく、衝動買い出来るものでもないものに対してでも、衝動を掻き立て、購買感情を沸き立たせることは有効で、また、必要なセールスプロセスです。
衝動買いとセールスの関係を単純化して考える場合には「価格帯」でセールス・プロセスが変わります。
低価格帯(一般的な人が財布を開いて買える範囲の価格帯)の商品は、衝動買いを誘発し、その後、顧客が購買を納得するための情報を提供し続けることで、リピートセールスの成功率を引き上げ、また、関連商品の販売率も高めることが可能になります。
次の価格帯である、中間価格帯(分割払いが実施されるような価格帯)の商材やサービスでも、分割払いが可能になり、その支払い期間以上に商品やサービスから得られる恩恵が継続する期待が持てるのなら、衝動買いを誘発し、支払い期間の終盤(時には前半)で、アップセルやクロスセルの成功率を高め、利益を増やすことは可能です。
これらの価格帯に対して、高価格帯(5年以上の分割払いが設定されるような価格帯)では、衝動買いは起こりませんが、衝動買いを誘発させるテクニックを使って、購買ではなく「来店」や「資料請求」「登録」を行わせることは可能で、かつ、これらの高価格帯を販売する際には、とても重要なプロセスになります。
衝動買いで満足できる人と後悔する人
「衝動買いで満足できる人と後悔する人」と言う文言は、そのまま「衝動買いで満足できる商材と後悔する商材」に置き換えて考えることもできますが、全く同じと考えるのは早計です。
しかし、衝動買いを誘発させつつ、背中を押されるのを待っている人へのセールスや商材のセールスを同居させることは可能です。
もっとも、単純な方法は、インターネットのセールスページを使い、衝動買いを誘発するキャッチコピーなどが掲載されたヘッドラインの直ぐ下に「今直ぐ買う」もしくは「今直ぐ申し込む!」「今直ぐ、無料登録」などのアクションボタンを配置するだけです。
しかし、購買者の中には衝動買いを起こすものの、その後、後悔する人もいますし、衝動買いしやすい商材の中には、その後、後悔させてしまう商材(正確には、売り方)も含まれます。
基本的に、衝動買いする人は、文字を読まず、話をあまり聞かない傾向を持っていますので、後悔させないためには、不適切なターゲットにまで衝動買いをさせないヘッドラインが重要になります。

商材の質が価格以上であることは言うまでもありませんね!
衝動買いはしたものの、後から後悔する人や後悔させてしまう売り方というのは、アフターフォローに問題があるため、このようなことが起こります。
衝動買いするものの、後から後悔するような人の傾向には、比較的、人の話を聞く特性を持っており、文章を読むことに拒絶感を表さないという特徴も持っています。そのため、このような属性に対しては、フォローメールや同梱物などの「後から理屈で納得する」手助けツールがとても有効です。
また、衝動買いする人は「お得感」によって満足度をます人が多いため、後悔させる前に、次の「得ネタ」を提供するだけでも後悔させず返品や解約、登録解除を抑制することができます。
衝動買いできる商品と騒動買いが起こりにくい商品
衝動買いできる商品とは、先述した通り、低価格帯と中間価格帯の商材です。
低価格帯商品とは、一般的な人がお財布の中から支払える金額で、中間価格帯とは5年未満の分割が可能で、1回の支払い金額が低価格帯と同様に「お財布の中から支払える金額」の価格帯です。
衝動買いが起こりにくい商品とは、5年以上の分割払いになるケースが多い商材の他に、使い方が難しく感じる商材、買い替えスパン(耐用年数)が数年で中古品が出回らないようなもの。または、中古品でも高価格帯に含まれるようなものが当てはまります。
これらのセールス戦略を組み立てる際には、フロントエンド商材から始まるセールスプロセスを組み立てるのが肝心で、フロントエンド商材次第で販売率は大きく変動します。
例えば、過去、私が住宅建築の営業マンだったことに採用したフロントエンド商材は、無料の住宅ローン相談や勤め先が開催しする住宅の見学会です。
会社員だった当時、私が販売していた商材は「住宅建築」です。言う間でもなく「住宅建築」は、高価格帯に含まれる商材の一つで「衝動買い」には、程遠いものです。
しかし、人は「買いたい」「欲しい」と言った衝動が起こらなければ、購買に向けた第一歩を踏み出しません。また、たとえそのような「衝動」が掻き立てられたとしても、購入後のリスクがその衝動を上回ると感じれば、購買に向けた行動を躊躇しますし、途中で断念します。

言い換えれば、低価格帯の商材は、この「衝動を上回るリスク」が限りなく低いと言うわけですね!
マイホームは「一生に一度の買い物」と言われる通り、大きな買い物で、大きな買い物ほど衝動は根強い「欲求」となって、日々購買行動(情報収拾も含む)を起こすのですが、この「衝動を上回る購入後に感じる将来リスク」も大きく、その行動ペースは鈍化し、また小さくなります。
しかし、マイホームの取得に対する購買行動は地道に小さな一歩を重ね続けるものです。そのため、マイホームを望む人の購買行動は、複数の販売者に対して行われるため、販売者である工務店やハウスメーカーは、比較的期間の長いセールスプロセスを余儀なくされます。
長いセールスプロセスを必要とする商材は、それだけ販売効率も悪く、経費(人件費も含む)もかさむため、1商材あたりの利益も大きくする必要があり、1商材あたりの利益を大きくする必要があると言うことは、逆に買い手が感じるリスクをさらに高めてしまう要因の一つにもなります。
このような「衝動買いが起こりにくい高価格帯商材」を販売する際には、いかに早くフロントエンド商材を購入させ「顧客」にすることが重要で、「顧客」にするためにも「見込み顧客リスト」に名を連ねさせる必要があります。
マイホーム建築を例に挙げれば、この衝動を喚起しつつ、買い手が日頃から感じる将来リスクを軽減させるフロントエンド商材のひとつに「無料商材」である「住宅の見学会」が、まず挙げられます。
完成した住宅を見るだけですから、支払いリスクを感じることなく、マイホームに対する欲求を駆り立て、「マイホームが欲しい」と言う衝動を「家を買う前に、完成したばかりの住宅を見たい」という衝動に置き換えさせ、衝動に任せた行動を起こさせることが可能になります。
しかし、無料商材は、支払いを伴っていないため「見込み顧客リスト」に書き込むことはできても、まだ「顧客」ではありません。
高価格帯の商材を販売し、より大きな利益を上げるためには、低価格帯の商材をまずは、購入させ「顧客リスト」を厚くし、その「顧客リスト」に対して「再販」として、高価格帯商材を提案するのが鉄則になります。
住宅の見学会に参加した人(見込み顧客リストに名を連ねた人)に対して、提供するフロントエンド商材は「低価格帯商材」でなければなりません。
「無料」は「支払いリスク」を感じません。購買に向けた大きな一歩は、この「支払いリスク」を乗り越える行動を起こすことによって衝動は加速します。
そこで提供したのが有料の住宅ローン対策セミナーです。
当時提供していた住宅ローン対策セミナーは、マイホームが欲しいと言う衝動と欲求を抑制する「将来リスク」を軽減する効果もあり、高価格帯商材を販売するには、絶好のフロントエンド商材です。

高価格帯商材を販売するフロントエンド商材には「将来リスクを軽減する商材」を選ぶのが鉄則なんですね!
この「高価格帯商材を販売するフロントエンド商材には「将来リスクを軽減する商材」を選ぶのが鉄則」は、英会話教室なら「お試し受講」となり、生命保険なら「小さな補償」だったり「自動車保険」となります。
人は、購買を通じて(支払いリスクを冒して)はじめて、販売者への「信頼」を芽生えさせます。そして、購入後の満足度や「人は衝動で買い、後に理屈で納得する」と言われる通り、後で納得できることで、販売者に対する信頼を高め、再び同じ販売者に対して購買行動を起こします。
逆にそうでなければ、販売者に対する信頼をなくし、2度と同じ販売者に対する購買行動は起こしません。
そのためにも、高価格帯の衝動買いを起こしにくい商材を販売する際には、いかに将来リスクを軽減でき、小さな欲求を満たすことができると簡単にわかるフロント商材の購入を通じて販売者のへの信頼を高め、他の販売者よりも早く買い手との信頼関係を作る必要があるわけです。
ただし、同じ高価格帯商材に対するフロント商材の販売も「衝動」によって、その購買行動は喚起されるため、いくつもの種類がある顧客特性に対する「衝動が喚起されるトリガー」に対応する必要が出てきます。
いくつもの種類がある顧客特性に対応しようとすれば、自ずと販売効率は下がり販売率も低下するため、経費は浪費され利益を圧迫するようになります。
ここで必要になるのが、いくつもの種類がある顧客特性に対して、どの顧客特性から攻略するのかを見極めることになります。
いくつもある顧客特性の内、どの顧客特性から攻略していくべきか
これまでご紹介してきた通り、顧客特性には直接セールスされることで購買行動を起こしやすくなる人と、まったくその逆で、直接的な対面セールスや電話セールスを拒絶する人がいます。
この他にもセミナー形式のセールスに対して購買衝動を駆り立てられる人や文字(文章)によって衝動を掻き立てられる人、また、衝動買い的な行動はあまり起こさず、小さな衝動を積み重ねることによって初めて購買行動に至る人など実に様々な顧客特性が世の中には存在します。
そんな掴みどころのない幾種もに存在する顧客特性の中から、どの顧客特性をはじめに攻略すべきかは、すべて社内リソース(得意な売り方と苦手な売り方)によって変化します。
しかし、多くの企業が本当の意味でのセールスにおける社内リソースを適切に把握できていません。
嘘のような話ですが、「営業会社」として経営されている会社でも、現在進行形で採用している売り方が社内でもっとも得意な売り方だと信じて疑わず、社内リソースに合わせた販売プロセスの策定を見誤っているわけです。
社内リソースに最適なセールスプロセスが策定できていない場合、営業成績は、個々人のスキルや営業センスに依存するため、社員の成長にばらつきが生じます。そのため、スキルを身につけた社員は、営業成績の確保と新人教育の両方を任されてしまい、成績を落としたり、他者への転職を考えるようになり、会社にとって良いことはありません。
そこで必要なのが、社内リソースに最適なセールスプロセスを把握できるようなセールスプロセスの策定方法です。

言い換えれば、検証可能なセールスプロセスの立案が、とても重要だと言うことですね!
「検証可能なセールスプロセス」と言っても、ABスプリットテストのような、セールスライティングによる成果改善ポイントを見つけるためだけではなく、これまでご紹介してきた商品特性や顧客特性、社内リソース(得意な売り方と苦手な入り方)のそれぞれを検証できるセールスプロセスの策定から始めることが重要です。
ネット社会と言われる今の時代だからと言って、ホームページやセールスページの作成に、いきなり投資するのではなく、これまで成果を上げてきた「よく売り方」と「よく売れている商品」そして、その売り方を通じて購入している顧客のタイプやよく売れている商材を購入している顧客のタイプを整理することがスタートラインです。
これまで成果を上げてきた「よく売り方」と「よく売れている商品」そして、その売り方を通じて購入している顧客のタイプやよく売れている商材を購入している顧客のタイプを整理できたら、次は、「よく売れている売り方を通じて購入している顧客のタイプ」と、これから採用しようと考えている売り方、もしくは、成果を改善したい売り方との共通点と相違点、その改善したい売り方が「得意な売り方」になった場合の企業メリットを整理します。
いくつもある顧客特性の中から、どの顧客特性に合わせセールスプロセスを策定するかといえば、まずは、「現在もっとも売れている売り方を通じて購入している顧客タイプ」となります。
この「現在もっとも売れている売り方を通じて購入している顧客タイプ」に対して、営業効率や販売率の底上げが経費の削減にもつながり、社員個々人のセンスやスキルに影響しない、企業資産としてのセールスプロセスを見つけることが、企業の命題となるわけですが、そのためには、『集客とセールスを成功させる基本7要素』に加え、『マーケティング戦略立案の基本3大要素』の全てを包括したセールスプロセスをまずは、策定することがとても重要になってきます。

一旦、ベースとなる包括的なセールスプロセスを策定後、実施する前に、現在の社内リソースと照らし合わせることだけでも、社内全体での営業成果改善のポイントが見えてくるのが、とても面白いところですよ!
本記事は、冒頭および本文内でもご紹介している2記事と合わせてお読みいただけると、理解を深めていただけます。
本来は、もうしこし簡潔にまとめるつもりでしたが、記事執筆中に幾つかのご要望をいただいたため、大変ボリュームのある記事になってしまいました。
そのため、採取的なセールスプロセス組み立ての事例やケーススタディを紹介する記事を新たに加えることになりました。
ある種、マーケティングとは掴み所がなく、難解に感じさせるところも多かったかもしれませんが、下記記事と合わせてお読みいただき『マーケティング戦略立案の基本3大要素。』および『セールスと集客を成功させる基本7要素』を整理していただければと思います。
2019/05/01 https://matsumuratakumi.com/12617/これまで直接営業、広告、電話営業、ネットといくつものシーンで集客やセールスに携わってきましたが、セールスの基本には「商品特性」「顧客特性」に加え「得意な売り方」の3要素が複雑に絡み合っています。
2019/05/02 https://matsumuratakumi.com/12644/集客とセールスをん基本7要素とは、以下の通りです。 セールス戦略の構築には、自社の強みと弱みを適切に把握し、もっともスムーズなセールス活動が営まれるよう改善を加えていくことも大切です。
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