文章術系の本を読んでも結果が出せない理由

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文章を書くスキルを上げたい熱心な人が犯しやすい重大なミス

文章を速く書けるようになりたい、ブログ記事の代行を依頼したいといった相談が、ここのところ、また、増えているようです。少しこの状況を生んでいる背景(原因)を知るために、SEO関連の最新情報を調査してみました。

詳細は割愛しますが、どうやら6月くらいからまたGoogleが動いているようで、その影響が徐々に出始め、遅れて気づいた人たちを対象に、最新の流行り言葉などを使いながらSEO関連サービスを売り込む業者が増えており、私のところへの相談も増えているようです。

最新の流行り言葉といえば、「検索エンジンに対してAIで云々」「マーケティング・オートメーションでコンテンツ・マーケティングを自動化」「音声検索に対応するためのSEOコンテンツ作り」なんかが上げられます。

そこで、今回は、これらの状況も踏まえながら、先日もいただいた記事代行がいかに無駄な発注なのか、そして、社内にライティングスキルを根付かせるため、また、個人で記事を書くスキルを身につけるために、多くの人が取り組んでいるにもかかわらず、成果に繋げられない、重大なミスについてご紹介しておきたいと思います。

文章術系の本を読んでもスキルにならない本当の理由

先日、購読しているNEWS PICKSに『文章を超速で書く人は云々』という記事が上がっており、読んでみると新刊の売り込み記事でした。

私はよく「書ける人はよく読む人」と、話しますが、この記事はセールスライティングの要素を非常にうまく取り入れた記事なので、少し分析しながらこの段落の見出しでもある『文章術系の本を読んでもスキルにならない本当の理由』について解説したいと思います。

※ 辛口な内容ですので、題材として取り上げられた著書や該当記事は伏せさせていただきます。興味のある人は、この段落のここまでに出ている文章の一部をコピペして検索してみてください(笑)

この新刊を紹介していた記事に「セールスライティング要素」が、多分に含まれていたと言うことは、どう言うことかと言うと、リード文(冒頭文)に、文章リテラシーの低い人を惹きつける単語を多用し、セールス文章を読み進める層を振り分けていました。いわゆる「リードでのターゲティング」というテクニックです。

基本的に出版社の記事はプレスリリースとして、多くのニュースサイトにリンクされますので、アクセス元をターゲティングすることはできません。アクセス元をターゲティングしたいのなら、リスティング広告か上位表示対策が必要です。

ニュースサイトで取り上げられる記事の場合は、固定費が必要な場合もあるかもしれませんが、無料の場合も多いので、セールス文章の中で商品を買って満足するだろう顧客層に絞ってコピーを読ませる必要があります。

今回の商品は「書籍」です。ネット上のセールス文章ですから、閲覧者の出口は自ずと「Amazon」になります。この場合、間違った層に本をAmazonで買わせてしまっては、妙なレビューがついてしまうリスクがありますので、そういった購買層は、できる限りセールス文章の中で排除しなければなりません。

簡単に言うと、商品の質はイマイチなので、リテラシーの高い層には売りたくない商品だということです。

実は、こういったセールスライターの潜在意識は、コピーの中ににじみ出てきます。

今回リードに使われていた「読者をひきつける単語」には、次のような装飾語が乱用されていました。

  1. 全て
  2. 10倍

基本的に「大げさな言葉」や装飾語が多用されているコピーで売られている商品の質は低いと思っていたほうが身のためです。逆を返せば、このような「装飾語」につられてしまう層はリテラシーの低い層だというわけです。

とりわけ、今回の記事は「文章術」です。文章スキルを身につけるための本を売るためのセールス文章にリテラシーの低い人が釣られるようなテクニックが盛り込まれていると言うことは、その本から得られるスキルは「たかが知れている」か、「ほとんど期待できない」と、言うことになります。

また、このようなセールス文章には、幾つも矛盾する箇所が現れます。

例えば、見出し(ヘッドコピー)で、伏字にした内容が本文内で明かされていない。「〇〇とは」と小見出しなどで目を引かせておきながら、その「〇〇」が本文中で明かされていない。などが、これにあたります。

また、むやみに大きな数字を羅列する場合も、文章全体として矛盾を生みます。

今回のセールス文章では、実績数の大きさと経歴年数がプロフィール内に記載されていたのですが、年平均にすると、実は大した実績でもなんでもなかったと言うオチに落ち着きました(詳細は24日配信のメルマガで書きました。メルマガへの登録はこちら)。

また、これは「出版」に関してよくお話することではあるのですが、本の内容と本の販売部数には直接的な因果関係はそれほど影響しません。もちろん、内容の薄い本はロングセラーにはなりませんが、ベストセラーにすることは出来ます。同じような内容の本(特にビジネス書)を何度も書いて、新刊が出るたびに前作が絶版になっているような著者の作品は、この典型ですね。

絶版になっておらず、似たような新刊を出す著者と出版社は、本を戦略的に取り扱っていると考えても、そう間違いではないので、そういった本は文章内容だけではなく、出版される前後関係などと、その著者のメルマガなども合わせて読みながら、マーケティングセンスを感じてみてください。

最近は特にこの「文章術系の本」をブックライター(慣れ親しんだ呼び方をすれば『ゴーストライター』)が、自著として出版するケースが増えているようですが、お金をもらって文章を書くスキルと、お金を生むため(売り上げや集客を実現するため)の文章を書くスキルには大きな違いがありますので、そのことを次に解説しておきましょう。

お金をもらって文章を書くスキルと、「お金を生む文章を書くスキル」には大きな違いがある

この本を紹介した記事にも、そしてAmazonの販売ページに記載されている紹介文章にも、似たようなくだりがありますが、文章を素早く書く秘訣は「素材集め」だと言っています。

このことを、否定する理由を私は一切持ちませんが、これだけでは足りないと、私は考えています。私が感じている記事を書くスキルをあげるコツは、この「素材集め」と「つなぎ合わせるスキル」が、重要だと感じています。

素材がなければ、書くことは出来ません。

ただ、素材がいくら揃っていても「何から書き始めるべきか」が、わからなければ、筆が止まります。言葉が古いですね「タイピングする手が止まります」のほうが近代的ですね。

「繋ぎ合わせるスキル」と言うものには、記事に盛り込む素材をどのような順番で、読者に伝えれば、目的が達成できるのか。を、知るスキルも含まれます。

この場合の「読者」を誰にするのか、どんな属性に記事やセールス文章、または書籍を読ませて、どんな行動を促すのかといった「ターゲティング」と「誘導」のスキルが必要になってくるわけです。

文章術系の本を読み、文章スキルを上げたいと考えている人の多くは「お金をもらって文章を書く人」ではなく「お金を生むために文章を書く人」のほうが多いでしょうから、「お金をもらって文章を書く人」の文章術をいくら学んでも応用することはほとんどできません。

なぜなら「お金をもらって文章を書く人」の文章は、納期までに文章を依頼した人が納得する、または、満足する文章を書けば良いだけですので、その文章がどんな目的で使用されるのかには関係ないからです。

きっと、文章スキルを上げたい、ブログ記事を速く書けるようになりたいと言う人は、読者層を設定し、その想定した読者にどんな出口(記事を読んだ後にとってほしい行動)を適切に提示して、実際に出口へと行動できるような誘導文が必要となります。

そして、そういった記事を上司から「ブログを更新しろ」と、指示が出た場合は果たす必要がありますので、いくらお給料をいただいて記事を書く「お金をもらって文章を書く人」であっても、その上司が望んでいる目的が果たせなければ、評価はされません。

基本的にブックライター(ゴーストライター)の仕事というのは(私もやっているのでわかります)、実質的に著者となる人の「言いたいこと」をインタビューから感じ、まとめ、1冊の本として体裁を整えるのが仕事です。ブックライターに依頼する著者や出版社は、企画した設計図通り、与えた素材(材料・原料)をもとにして、商品を納期通りに製造させたいだけです。

その本(商品)が売れるか売れないかは、販売店の仕事です。実際問題、書籍の場合は、企画署に基づいて取次が何千部買い取るのかが、売上に直結しますし、重版がかかるか、そして、どれだけ速くかかるかは、事前の販売努力によって大きく変わってきます。

ですから「出版前から話題になっている」文章術系の本は、本の内容よりも、その著者やマーケティングに関して、学びを深めたほうが遥かにビジネスに有効なわけです。

「お金をもらって文章を書く人」の文章術は、いかに時間効率よく、与えられた素材(材料)を使って、依頼者の満足する製品(書籍)を納期までに製造するかという技術です。それ以外のことがもし書かれているようであれば、それは、あくまでも憶測で、その実績と書籍の内容に関連性はないと考えたほうが良いでしょう。

繰り返しになりますが、これに対して「お金を生むために文章を書く人」に必要な文章術は、セールス文章スキルであり、そのセールス文章を改善するスキルです。これが「お金をもらって文章を書く人」と「お金を生むために文章を書く人」の大きな違いです。

では、こう言った類の本は「参考情報」程度に取り扱い、あとは実践するし、改善し続けるしかないとわかった以上、もうネット集客やウェブ活用において「記事代行業者」が提供するサービスがどれだけ無駄なサービスであるのかを、ここでもはっきりさせておきたいと思います。

確かに、記事代行サービスが有効な時代もありましたが…

確かに、記事代行サービスが有効な時代はありました。しかし、そんな小手先のサービスが通用する時代は2013年には終焉しています。私が『記事代行どっとこむ』の更新を放置し始めた頃です。

過去、私は『記事代行どっとこむ』というサイトを立ち上げ、ブログ記事を検索で上位表示させ、そこから任意のページに誘導し、売り上げや集客といった成果を生む記事代行サービスを提供していました。

なぜ、そんなことができたのか。なぜ、リスティング広告ではなく、ブログ記事でそんなことができたのかといえば、その理由はGoogleのシステムレベルが稚拙だったからです。何も、Googleに対してスパム行為を行なっていたわけではありません。

「出口」として設定しているコンテンツのテーマに基づき、検索されそうなキーワードを洗い出して、Googleが認識しやすいような記事を書く。たったこれだけの作業で当時は検索され、上位に表示されトラフィックを集めることができました。

しかし、今のGoogleではいろいろな要因で検索結果はパーソナライズ化され、何を基準に「上位表示」と呼ぶのかが特定できない状況にあります。Facebookやツイッターでシェアされたからといって、実際に記事が読まれているとも限らないわけです(これは「いいね!」の数も同様)。逆もまた然り。

ましてや、外注業者が依頼主の実サービスを適切に知るためには、取材が欠かせません。そこを怠れば、ブログ記事と実サービスに「乖離」が生まれ、新規売り上げは達成できても、返品やクレームを生みます。書籍の場合は「返品」が起こるリスクがとても低いので、おろそかになっているケースも少なくありません。しかし、今の時代、書籍をAmazonで買う人も多ければ、Amazonで本を売る人も多いので、悪評を生むリスクは高まります。

「お金をもらって文章を書く人」のように、ブログ記事をこういった人たちに依頼すれば、取材が必要となり、そこにコストは言うまでもなくかかってきます。しかし、「お金をもらって文章を書く人」は、文章を読んだ人の出口やSEOのことを意識できる人は少ないので、ブログで結果を出すことはできません。

ということは、取材日と文章代行費用の費用対効果は高いものにはならないと、簡単に想像ができます。費用対効果が上がらない施策に企業は投資しませんので、費用対効果を少しでもあげるために、支出を抑えたいと考えるようになります。

言わずもがな、代行ライターの報酬が減れば、作業の質は落ち、取材の質も落ちますので、結果、利益は固定されず下がっていくので、ここでも費用対効果が落ちます。

更にいえば、優秀なセールスライターは、依頼を安請け合いしないので、成果を上げられるライターを低コストで見つけることは出来なくなります。このことを逆から考えると、取材にかかるコストと時間、文章を作成するコストと時間を社内に投資すれば、支出を抑えられるようになります。

また、「記事を書く」「文章の書き方を学ぶ」という時間を通常の就業時間の中から生み出さなくてはならなくなりますので、従来の業務効率を改善しなくては、この時間を生み出すことはできません。そのため結果、従来の作業効率は改善され、経営効率も改善されるため、「ブログ記事を社内スタッフが書く」「ウェブサイト運営の内製化」は、企業の業績改善に繋がるわけです。

これが、私が「記事代行」というサービスを通して、企業の業績改善やホームページの成果改善に寄与してきたカラクリです。要は、別に文章スキルだけが業績を改善したわけではないのです。

お金を生み出すための文章スキルの磨き方

「お金をもらって文章を書く人」と「お金を生むために文章を書く人」との違いは、もうおわかりいただけたでしょうか。ではなぜ、「お金をもらって文章を書く人」が書いた書籍はたくさんあるのに、「お金を生むために文章を書く人」が書いた書籍はほとんど見つけることができないのでしょうか。

私はこれにはいくつかの理由があると考えています。

ひとつは、出版自体がそのような目的で行われていないと言う業界背景が挙げられます。通常の書籍は「読み物」であって長編のセールスレターではありません。ましてや人は長い文章を手中して読むことができません(そのためネット通販では、間違った買い物が頻発する)。また、通常の書籍に著者のウェブサイトURLが記載されることはあってもQRコードが掲載されることはないため、出版社は意図的に読者が著者の直接的な顧客になることを嫌っているのではないかとも感じます。

私が出版している書籍(依頼本も含めて)には、適宜QRコードを掲載しています。著者のウェブサイトへ誘導するだけだと、そして、毎回QRコードを掲載すると、読者は本を読むことを止め、インターネットサーフィンに興じるようになりますので、適切な箇所にのみQRコードは掲載する必要がありますが、QRコードを掲載する以上、そのQRコードを読み込みたくなるような、誘導文を書く必要が出てきます。ここにはセールス文章スキルが絡んで切るので、書籍に売り込まれていると読者に感じさせないような配慮が必要になってきますので、そのようなことを目的に本を書いたことがある人物にしか、そのような文章は書けません。

そのため通常の出版やブックライターにこのような原稿はかけないため、「お金を生むために文章を書く人」は多く出版されていますが、「お金を生むために文章を書く人」の本はあまり出版されていないのではないかと考えられます。

2つ目の理由は、ひとつめの理由でも少し触れましたが「出版社は意図的に読者が著者の直接的な顧客になることを嫌っているのではないか」ということです。

今の時代、出版は誰にでもできますし、本は書店に行かなくてもAmazonで購入できますし、ネット通販で売ることもできますので、出版社を通すことも「取次」を通す必要もない時代に入ってきました。

すると、著者はわざわざ出版社から5%や10%程度の印税をもらうために本を書かなくても「お金を生むために文章を書く人」は、自分で本を出してしまえば、目的を果たせるので、一般的な書籍に、このような著者が書いた本がほとんどないのだと思います。

そして、最後の3つ目にあたる「お金を生むために文章を書く人」が書いた本をほとんど見つけられない理由は、「お金を生み出すための文章スキルの磨き方」は、データをもとに改善するしか方法がないため、本という体裁を整え辛いからです。

お金を生み出すための文章スキルの磨き方というのは、素材を集め、文章や記事の体裁を整えられるようになったら、ひたすら書いて、特にブログ記事なら初めのうちはひたすらアップして、あとはアクセス解析をもとに改善していくしか術はないわけです。

売り上げや集客は時代背景とも密接に関係してきますので、お金を生み出すための文章スキルを磨くためには、データを分析しながら改善を加えるしかすべはありません。

ただ、そのデータを獲得するための文章や記事を作るためには、インタビューの方法や取材の仕方、表現方法といった文章構成スキルを磨く必要があります。これに加え、読者ターゲティングや顧客ターゲティングのスキルが必要となり、これらは文章を載せる媒体による違いを把握する必要があります。

また、ブログ記事は簡単にアップできますし、修正が可能ですので、その「ブログ記事の使い方」に沿って、記事をアップし修正すれば良いのですが、印刷物になると、そう簡単に出版できませんし、修正もできません。この場合は、「使い方」を改善して成果を高めなければならないわけです。

「やっぱり文章を書くのは大変じゃん」と、感じた人へ

ここまで、読んでくれた人の中で「やっぱり文章を書くのって大変じゃん」と、感じてしまっているようでしたら、ご心配はいりません。これまで私は何度も1時間程度の指導で、事前の取材もなくスラスラと記事が書けるようになり、以降も時間を見つけては記事が書けるようになる人をたくさん生み出してきました。

そして、その時に実施した方法(その時以外にも基本的にはこの方法でご指導しています)を、新刊の『128.文章の書き方(ブログ編)』『190.タイピングが苦手な人、なかなか「文章が書けない」人の記事の書き方』『191.読者を味方につける文章の書き方』などで詳しくお話ししています。

この文章作成術、記事作成術で100%の人がそのような変化を手に入れたとは、決して言いませんが、素直に実践した人は、もれなくご自身の成長と変化を実感し、成果へと結びつけてくれているようです。

この人たちの現状に対して、なぜ、私が「〜〜いるようです」と、他人事のように表現しているかと言うと、それは、すでに私の元を離れ成果を挙げられているからに他なりません。文章スキルや記事の書き方はコツさえ掴んでしまえば、あとは改善あるのみですので、継続的な指導は必要なく、あなたが書く文章の指導者はライティングの先生ではなく、いずれ読者や顧客へと変わっていくと言うことです。

もちろん、私の文章指導者も顧客であり、読者の皆さんです。

新刊本は、Amazonでご購入いただけます。

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